今年は明治維新150年ということで

西日本新聞

 今年は明治維新150年ということで、昨年末、坂本龍馬が歩んだ「脱藩の道」を高知県で取材した。若き龍馬は胸にどんな理想を燃やし、雪残る峻険(しゅんけん)な四国山地を越えたのか。そう考えると、50を過ぎた胸も久々に高鳴った。

 龍馬脱藩の道を案内してくれたのは、その町で唯一の土建会社の社長さん。この道がとにかく険しいが、民家は点々と続く。「うちのような会社が存続せんと、冬に道を除雪する者もおらんようになる」との言葉が印象的だった。

 泊まった農家民宿では、おかみさんが「明日だったら断っていたよ」と漏らす。翌日は何と20年ぶりの町長選の告示日だった。「人口3千人の町で選挙をやっても争いの種が残るだけ」。おかみさんの批判の矛先は、理由を明かさず引退した現職に集中した。

 もしこの現状を龍馬が見たら何と言うか、夢想した。「全国津々浦々、どの地方も大変じゃのう。それでもみんな、頑張りや」 (鶴丸哲雄)

=2018/01/19付 西日本新聞朝刊=

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