統一会派頓挫 国民の信頼回復が先決だ

西日本新聞

 理念や政策抜きで単純な数合わせをもくろんでも、しょせん無理だった。やはり国民の信頼回復こそ先決-ということではないか。

 22日召集の通常国会を前にした民進党と希望の党との統一会派構想が頓挫した。15日に合意文書を取り交わしたと思ったら17日には断念である。政治不信を増幅しただけのドタバタ劇に終わった。

 立憲民主党60、民進党(衆院は「無所属の会」)56、希望の党54-民進系会派の17日現在の衆参議席数だ。どんぐりの背比べと言われても仕方ない現状だ。

 自民、公明の巨大与党の462に比べて桁違いに弱小な野党が、さまざまな場面で連携を模索するのは当然だ。しかし政策や理念の詰めた論議もなく、いきなり統一会派で合流するのは拙速だった。

 統一会派は複数の政党や団体の議員が国会活動を共にする。議席数に応じて割り当てられる国会の役職や質問時間が統一会派を組むことで増えるメリットがある。

 国会日程なども与野党の第1会派間で調整する。民進、希望側に野党トップの地位を占めたいとの思惑も働いたのは間違いない。

 それが単なる数合わせに走った理由だろう。合意文書も両党間で見解の異なる安全保障関連法について「違憲と指摘される部分を削除することを含め、必要な見直しを行う」と玉虫色の表現で切り抜けようとしていた。

 だが、昨年の衆院選で希望に「排除」された民進議員のわだかまりは解消されず、希望でも保守色の強い結党メンバーと民進出身者の溝が残ったままで、足元から構想が崩れたといえる。

 両党とも新たな分裂の火種も抱えた。社民党の党首選に立候補者がなく26日再告示となったのを含め、野党陣営の混迷が著しい。

 民主政治の発展のために健全な野党の存在は不可欠だ。野党の弱体化は与党優位の固定化を招き、政治の活力を奪いかねない。野党各党はまず政策を鍛え、政権監視機能も強めて、国民の信頼と期待を取り戻すべきだ。連携や協力の議論はその後でも遅くない。


=2018/01/19付 西日本新聞朝刊=

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