ポンプ増設案拒否 諫早湾干拓排水問題 県有明海漁協が決定

西日本新聞

 国営諫早湾干拓事業(長崎県)の農業用調整池からの排水を巡り、県有明海漁協は、農林水産省が提案したポンプ増設案を拒否することを決めた。開門に代わる和解案として国が示した漁業振興基金100億円を財源に想定しているため、開門を訴える漁業者から反発が出ていた。

 18日の会議で決定した。関係者によると、近く佐賀、福岡、熊本3県の漁業団体でつくる諫早湾干拓事業対策委員会に説明するという。

 ポンプ増設は、漁協や県が国に求めている有明海再生のための「小まめな排水策」の一環。農水省は16日、10億~15億円をかけて1日10万トンの排水能力を20万トンに引き上げる案を漁協側に示したが、徳永重昭組合長は「国の事業で設置してほしい」とし、山口祥義知事も「(提案は)和解をのむことと同義と言える」と難色を示していた。

 調整池からの排水について、有明海でノリ養殖を営む漁業者らが「大量排水による赤潮で色落ちする」と抗議。昨年12月には海上デモを行った。山口知事も排水量のルール化を求めているが、農水省は「管理が難しくなる」と応じていない。

 開門を巡り、国は2010年の福岡高裁確定判決で開門の義務を課されている一方、昨年4月には開門しないよう命じた長崎地裁判決を控訴せずに確定させ、「拒否」の姿勢を明確にしている。

 国と漁業者の双方は2月26日にも見込まれる福岡高裁での審理が結審した後、和解に向けた協議を再開する見通し。

=2018/01/20付 西日本新聞朝刊=

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