「シシウチ行事」後世へ 国無形民俗文化財に答申 吉井町

西日本新聞

 19日、国の文化審議会答申で「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」(国選択無形民俗文化財)とされた佐世保市吉井町の「吉井のシシウチ行事」は長年、豊作を祈願し、地元住民が毎年12月に伝えてきた害獣のイノシシに対する行事。答申に住民は喜びの声を上げるとともに、伝承の大切さを改めてかみしめていた。

 市教育委員会社会教育課によると、シシウチ行事は旧吉井町内に点在して伝わっているとされ、乙石尾、橋川内地区に残る行事が1993年、町無形民俗文化財に指定された。

 乙石尾地区では12月13日に地区住民が山と集落の境にある山の神のほこら「オコクラ」に集まり、神事の後、米で作った「シトギ餅」をイノシシに見立て、神主や住民が順に矢を放っていく。その後、餅をちぎって「シシ肉」と称して焼いて食べる。

 答申では、学術的に「儀礼的狩猟」と呼ばれる行事の特色をよく伝えている点が貴重とされ、住民たちは保存会を結成して行事を伝承してきた。乙石尾地区の農業男性(80)は「よかった。300年ほど前から伝わるという行事なので、今後も守っていきたい」と喜ぶ。同地区の儀式を執り行う春日神社(佐世保市吉井町)の榊原精仁(せいじ)宮司(55)は「住民が伝統や願いを大切にして次につなげないといけないという強い意思があったのだろう。その思いを後世につないでいく契機になると思う」と話している。

=2018/01/20付 西日本新聞朝刊=

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