「おらおらでひとりいぐも」は若竹千佐子さんの芥川賞受賞作…

西日本新聞

 「おらおらでひとりいぐも」は若竹千佐子さんの芥川賞受賞作。東北弁のタイトルは宮沢賢治の詩から。「私は私で独り逝く」という覚悟を「私は私で独り生きていくから」という決意の意味で使ったそうだ

▼海の向こうには、おらおらの大統領。国内外の反対を歯牙にもかけず、私は私で一人好き勝手にやってきた。トランプ米大統領の就任からきょうで1年

▼先日、健康診断の際に受けた認知能力検査は満点だったとか。核のボタンを握る人の認知能力が怪しければ世界は終わりかねない。満点は結構だが、トランプ氏が自ら進んで検査を受けたのは、不安定な精神状態を危ぶむ声があったからだ

▼中でも、最近の「シットホール」発言。「肥だめ」「屋外便所」の意味で「くそったれ」という罵声にも訳される。まともな大人は公の場で決して口にしない言葉だが、トランプ氏は中米やアフリカの国々をそう呼んだ

▼政権に批判的なメディアを名指しして「フェイク(偽)ニュース賞」も発表した。自身はうそや事実誤認の発言を繰り返していながら、訂正も謝罪も、まずしない。やっぱり超大国の指導者としての認知能力を疑いたくなる

▼小説では主人公の頭の中でいろんな思いが東北弁になって駆け巡る。世界はこれからも、トランプ氏の頭の中を駆け巡る「おらおらツイート」に振り回されるのか、と思うにつけ寒々しい。そういえば、きょうは大寒。


=2018/01/20付 西日本新聞朝刊=

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