坪井川 気になる泡 熊本城の内堀、景観の一部 下水処理水20万人分流入 県は「基準適合」

西日本新聞

 加藤清正が熊本城の内堀として改修工事を手掛けた坪井川は、城の景観の一部になっており、熊本市民の愛着も深い。ところが、最近、川面の所々がぶくぶくと泡立っている。気になって上流へさかのぼると、下水処理場の放水口にたどり着いた。下水道があれば、川はきれいになると思っていたが、水質は大丈夫だろうか? 疑問を探ってみた。

 坪井川は熊本市の北区から西区まで約23キロを流れる県管理の河川。下水処理場は、坪井川の源流から約3キロ下流側の北区鶴羽田町にある県の熊本北部浄化センターだ。熊本市と合志市、菊陽町など約49平方キロに住む約20万人分の生活排水などを受け入れ、1日約6万1千トンの処理水を坪井川に流している。

 放水口から勢いよく流れ込む処理水は茶色っぽく、近寄ると生臭い。ただ、県によれば処理水のBOD(生物化学的酸素要求量)は3前後だという。BODは水の汚れを示す指標で、3ならばサケやアユがすめるとされている。水質基準に適合しているとしても、気になるのは泡の多さ。放水口から1キロほどは泡が広がり、それより下流でも、小さな堰(せき)など落差を通るたびに泡立つ。観光客が訪れる熊本城前でも見られた。

 県下水環境課は、泡の原因は処理水に含まれる粘り気の強い多糖類だと説明する。担当者は「下水の汚れを微生物が分解する過程で多糖類が出る。下水の約7割は高度処理しているが、多糖類を除去するのは技術的に難しい」と話す。

 泡が目立つのは、坪井川の流量の少なさも影響しているようだ。熊本市の調査では、処理水が混ざる前の坪井川の流量は2016年度の平均値で約6万2千トン、処理水とほぼ同じだ。川の水位が低かった16年2月の流量は約4万トンだった。

 熊本北部浄化センターの供用区域では35年ごろまで人口増加が続き工場建設も見込まれるため、県は1日11万4千トンまで処理能力を拡大する計画。今後、坪井川に流れる処理水が増える可能性は高い。

 国土交通省下水道部によると、河川に流す下水処理水の量に制限はなく、水質の調査項目に多糖類は入っていないという。

 県下水環境課は対策として「下水処理場の負担を下げるため、台所から流れる油を減らすよう各家庭にお願いしたい」と呼び掛ける。都市部を流れる坪井川の水質浄化に切り札はない。市民の地道な協力が大切なようだ。

=2018/01/21付 西日本新聞朝刊=

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