バレエ、歌舞伎を映画館で バックステージ、出演者インタビュー特典も

西日本新聞

生と違う臨場感と魅力

 バレエやオペラ、歌舞伎を収録した映画が映画館で上映される機会が増えている。出演者のインタビューやバックステージの紹介などが織り込まれ、実際に生で見るのとは別の楽しみ方があり、遠方の公演会場へ行くことがままならない高齢者などに好評のようだ。

 福岡市の中洲大洋では現在、英国の名門ロイヤルバレエ団の「くるみ割り人形」を上映している。クリスマス定番の演目で現地で昨年暮れに公演したものだ。バレエとオペラを組み合わせたこのシリーズを配給する東宝東和九州営業所の戸高千春さんは「大スクリーンで生に近い環境で見る醍醐味(だいごみ)があり、出演者の生の声が聞け、バックステージが見られるのは映画ならではです」と特徴を挙げる。

 2時間40分に及ぶ映画は冒頭、物語の紹介や出演者らのインタビューが20分近く続く。例えば、雪の精の指導者は「速い足さばきで手は振るわせて一瞬も気が抜けない」と難しさを語る。

 幕あいの休憩時間は公演と同様に取り、指揮者のインタビューのほか、トーシューズに関するインタビューを挿入。後者では既製品のシューズを解体し、中敷きのフェルトを外したり舞台で滑らないように爪先をかがったりダンサーが自分仕様にする話が紹介され、北九州市出身のソリスト崔由姫が登場する。こうしてバレエに疎い人でも入りやすく仕立てている。

 シリーズは今季、現地の上演日から38~72日後に日本で公開、3月にオペラ「リゴレット」、4月に同「トスカ」を控える。

 松竹「シネマ歌舞伎」も俳優の繊細な表情や豪華な衣装が鮮明に見えると好評だ。中洲大洋などでは封切り日に事前解説が付くこともある。解説者で年間100日以上、歌舞伎を観劇しているという「歌舞伎大向(おおむこう)飛梅会」(福岡市)の足立憲彦会長は「ただの録画ではなく一部撮り直したりして役者の満足度も高く、ある意味、舞台より完成度が高い」と指摘する。映像の場合、かぶりつきから全体を俯瞰(ふかん)した見え方まで多様な位置で映し出すのが特徴で「劇場の臨場感とは別の魅力があり、生の舞台を見た人が再確認や別の角度で見ようと訪れるケースもある」と話している。

=2018/01/22付 西日本新聞夕刊(娯楽面)=

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