分校の記憶よみがえる 嬉野市・旧美野分教場閉校50年記念誌発行 卒業生、恩師思い出寄せる

西日本新聞

 1968(昭和43)年に歴史を閉じた嬉野市塩田町の旧五町田小「美野分教場」の卒業生有志が、閉校50周年記念誌「ありがとう美野分校」を発行した。卒業生らは「50年たっても思い出は色あせない」と、当時を懐かしんでいる。

 美野分教場は1874(明治7)年に旧五町田村に開設された美野小が前身。1926年に分教場と改称され小学1~4年生が学んだ。現存する木造平屋の校舎は地元の大工31人が28年に建てた。廃校後は傷んでいたが、保存を願う住民の声を受け、県が2008年に「22世紀に残す県遺産」に認定、09年に補修した。

 記念誌の編集には元高校教諭の森四朗さん(76)の呼びかけで10人が参加。元教員4人、卒業生19人が思い出のエピソードや短歌を寄せた。卒業アルバムの写真も転載し、1年半掛けてA4判64ページにまとめた。1月21日に印刷した300冊は完売した。

 寄稿では、男女や学年を問わずに仲良く遊んだことや、授業時刻を知らせる鐘の音、廃校の知らせにショックを受けた記憶がつづられている。卒業写真には、わら草履や下駄(げた)の子どもも目立つ。

 森さんは「ビー玉を布で巻いてボールにし、木を削って作ったバットで野球を楽しんだ。よく隣の家に球が飛び込んだ」と振り返る。編集委員の一人、池田皓彦(つぐひこ)さん(71)は「教室の後ろに弁当を炭で温める『弁当ぬくめ』があり、たくあんのにおいが漂っていた。女子に相撲でいつも負けていた」と懐かしんだ。

 森さんらは「記念誌を通じて旧交を温めてもらえれば」と話し、発行記念の集いも計画している。

=2018/02/02付 西日本新聞朝刊=

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