緊張と充実感のドローン操縦 福岡市で無料体験に参加 新ビジネスへ希望者続々

西日本新聞

 映画の撮影からインフラの点検、農林業まで幅広く活用されている小型無人機「ドローン」。世界の潜在市場は約15兆円。需要は増える一方で、操縦士が不足している。操縦士養成校の無料体験に参加してみると、ドローンビジネスの可能性を追求する人たちがいた。

 福岡市南区清水2丁目のドローンスクールジャパン福岡中央校を1月下旬に訪ねた。操縦技術の資格を出す一般社団法人、ドローン操縦士協会(東京)の認定校。福岡市では福岡東校に続き2校目で、機体の操縦法や赤外線カメラの扱い方などが学べる。

 福岡中央校には自動車整備工場を改装した屋根付きの飛行練習場がある。約140平方メートル、高さは7メートル。「さっそく飛ばしましょうか」。校舎長の本村敏弘さん(42)に促され、リモコンを両手で握った。操る機体は世界最大手のドローンメーカーDJIの「F450」(全長約45センチ)。価格は約10万円。四つのプロペラが回転して浮上する。

 ドローンはリモコンの右スティックで左右の移動と上昇、下降、左スティックで前後の移動と旋回の操作をする。初心者はこれを覚えるのに苦労する。

 最初の課題は空中で停止させるホバリング。スティックで微調整するのがコツらしい。機体を約1メートルの高さに保とうとするが、横風で右へ右へ。左に戻そうとすると、今度は左に進み過ぎ、壁に激突寸前-。

 「はい、戻しますね」。軌道修正したのは本村さんのリモコン。自動車教習所のように、そばで「教官」が危険を回避してくれた。

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 実は本村さんのドローン歴は7カ月程度。IT関連の仕事をしていたが、仕事の幅を広げるために福岡東校でドローンを体験。温めていたドローンビジネスで校舎長と意気投合し、その場で福岡中央校の責任者に内定した。すぐに100万円以上かかるインストラクターの資格を取得。ドローンのカスタムショップを出す夢を抱いている。

 さて、ドローンを好きな方向に動かすことができるようになったが、旋回させるのが難しい。前後左右の操作に四苦八苦しながら、円移動、四角移動、着地までなんとかできるようになった。「なかなかセンスがありますね」とおだてられ、約30分のレッスンが終了。充実感はあったが、肩の筋肉がこわばっていた。

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 ドローンは新ビジネスの可能性を広げる。「空はあこがれ。離陸した瞬間、気持ち良かった」。無料体験した太宰府市のシステム会社役員の男性(52)は、社員に内緒で操縦士の資格を取り、空撮分野に参入しようと考えている。

 福岡中央校は基本的な技術を2日間で学ぶフライトコース(税別12万円)と、さらに2日かけてプロの操縦士を目指すビジネスコース(税別20万円)がある。ここまでくれば、国の許可が必要な上空150メートル以上や人口集中地域、空港近くの飛行申請手続きが簡略になる。受講者の大半は男性で、ビジネス目的の20~30代が目立つ。

 福岡市南区の坂本諒平さん(29)もその一人だ。消防関係資材を扱う商社を退職し、ビジネスコースに挑戦中。ドローン操縦士を1500人抱える人材派遣会社への登録を目指す。「救助や建築現場でドローンを操りたい」。強い意欲が伝わってきた。

 帰り際、本村さんに肩をたたかれた。「もちろん、申込書(フライトコース)に記入していただけますよね」。今の仕事にドローンを生かせないだろうか。返事は保留している。

=2018/02/06付 西日本新聞朝刊=

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