フン・セン与党圧勝 カンボジア上院選 野党解党、欧米から批判

西日本新聞

 【バンコク浜田耕治】カンボジアで25日、上院(定数62)選挙の投開票が行われた。30年以上にわたり実権を握るフン・セン首相は昨年、最大野党・救国党を解党に追い込んでおり、暫定集計結果によると、与党・人民党が58の改選議席すべてを獲得して圧勝した。欧米諸国は独裁色を強める政権への批判を強めている。

 公式の開票結果の発表は3月以降になる見通し。

 カンボジアは二院制。法案成立の最終権限は下院にあり、上院の持つ権限は少ない。上院選は間接選挙で、58議席を下院議員123人と地方評議会(議会)議員1万1572人の投票で選ぶ。残る4議席は国王と下院が2人ずつ指名する。任期は6年。

 カンボジアではここ数年、フン・セン氏率いる人民党に救国党が挑む構図の選挙が続いた。同氏の強権政治への反発から、2013年の下院選と昨年6月の地方議員選では、救国党がそれぞれ40%以上の得票率を得て躍進していた。

 こうした結果に危機感を抱いたフン・セン政権は昨年9月、政権転覆を図ったとして救国党のケム・ソカ党首を逮捕し、最高裁判所は同11月、救国党に解党を命令。解党により剥奪された同党の下院や地方議員の議席は人民党などに振り分けられた。最大野党の消滅で、今回の上院選は与党圧勝が確実となっていた。

 国外に逃れた救国党のサム・レンシー前党首は22日の声明で「(昨年の地方議員選で同党に投票した)市民の意思は完全に無視される」として国際社会に共闘を訴えた。海外の人権団体も「選挙は見せかけ」と批判するが、フン・セン氏はあくまで強気だ。最大の援助国である中国の後ろ盾があるためとみられている。

 今年7月の下院総選挙について、欧米諸国は民意が適切に反映されないとして協力を中止。カンボジア政府高官への優遇査証(ビザ)発給停止など制裁姿勢を強めている。一方、日本政府は21日、支援の継続を発表。存在感を増す中国を念頭に置いた判断とみられ、下院選で国民の意思を適切に反映するよう求めつつ、投票箱の供与など8億円の無償資金協力を行う。

=2018/02/26付 西日本新聞朝刊=

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