がんが再発・転移したら… 専門医ら患者向けに本 最新の薬物療法や緩和ケア 分かりやすく解説

西日本新聞

 末期のがん患者を支援する「ファイナルステージを考える会」(福岡市)の岩崎瑞枝代表世話人=写真=が、専門医らに呼びかけ「がんが再発・転移した時、あなたは?」(中央法規出版)をまとめた。長くがん医療に携わってきた経験に基づき、最新の薬物療法や緩和ケアの仕組みを分かりやすく解説している。

 同書がテーマにしている再発・転移したがんは、ほとんどの場合、根治が難しく、治療の目標は「治す」ではなく「がんによる症状の緩和や進行の抑制」になるという。ただ、効果の高い薬物の開発が進んだこともあり、治療法が尽きた後も「抗がん剤を続ければがんは治る」と考える患者は少なくない。岩崎さんらは「治療に固執した結果、やりたいことができないまま最期を迎える人もいる。病状が進行する前に自分にとって大切なことを考えてほしい」との思いで出版した。

 国立病院機構九州がんセンター(福岡市)の江崎泰斗臨床研究センター長は、最新の薬物療法を紹介しながら「並行して緩和ケアを取り入れる重要性が叫ばれている」と指摘。治療効果がなくなった時、早めに緩和ケア主体に切り替えることが「かえって延命につながる」とする。

 緩和ケアを提供する、みどりの杜(もり)病院(福岡県八女市)の原口勝院長は、実例を交えて患者が受けられる処置を紹介。「緩和ケアは『より良く』生きてもらうためのケア」と訴える。

 岩崎さんは「抗がん剤をやめるのは人生を諦めることではない。この本が、人生の最終章(ファイナルステージ)までの行程を大切に生きる一助になればうれしい」としている。1728円。同出版福岡営業所=092(724)8714。

=2018/02/19付 西日本新聞朝刊=

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