不発弾 発見相次ぐ 旧海軍が投棄? 盗んだ物資を捨てた? 軍港・佐世保 負の遺産

西日本新聞

 長崎県佐世保市干尽町の佐世保港三浦岸壁近くの海底から、7月以降、旧日本軍の物とみられる不発弾が相次いで見つかっている。岸壁延伸に向け、しゅんせつ工事をしているためで、7日までに砲弾や薬きょうなど86個を発見。中には爆発の可能性が高い物もあり、何とも物騒だ。なぜ、こんなにも海底に埋まっているのか。軍港の歴史が残した負の遺産なのだろうか。

 市は外国からのクルーズ船の寄港数増加に伴い、三浦岸壁(270メートル)を100メートル延ばす工事をしている。大型船受け入れのため、海底も水深10メートルまで掘り下げる計画だ。工事開始前の7月10日、同岸壁の南に接する海上自衛隊倉島岸壁から北西に約370メートルの海底を調査中の作業員が、砲弾1個を発見。掘り下げ工事が始まった10月以降は特に増え、主に倉島岸壁沖約300~400メートルで、10月30日に17個、7日には32個が土砂の中から見つかった。信管や火薬が付いていて爆発の危険性がある物もあった。

 市教育委員会職員で文化財担当学芸員の川内野篤さん(38)が「終戦後、武装解除を求められた旧海軍が艦船から海に捨てたのかもしれない」と教えてくれた。旧海軍が危険物の処理や不要物を海中投棄したと指摘した郷土史家の文献を挙げ、「信管などが付いているのは、すぐ使える状態で船に積んでいたからと考えられる」と話す。

 一方、米海軍の動向を監視する団体「リムピース」の編集委員で、郷土史家として長崎大非常勤講師を務める篠崎正人さん(67)は昔、同級生の父親から聞いた話として「物資の横流しに関連した可能性もある」と指摘する。物資が不足していた終戦間もなく、元軍人や民間人が旧海軍の倉庫内の物をトラックで持ち逃げしたという。「邪魔になる砲弾は目の前の海に捨てた。相当大量に捨てたらしい」と明かしてくれた。

 見つかった砲弾は海上自衛隊が回収し、爆破処理している。幸い不発弾の爆発という最悪の事態は起きておらず、延伸工事の工期への影響もないという。それにしても工事作業員の不安は大きいことだろう。篠崎さんは「砲弾は佐世保港のあちこちで捨てられたといい、今後も工事の時に出てくる可能性がある」と話す。不発弾は軍港としての役割を今、改めて教えてくれている。

この記事は2017年11月09日付で、内容は当時のものです。

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