米、鉄鋼に25%関税 アルミも10% 中国製を標的か

西日本新聞

 【ワシントン田中伸幸】トランプ米大統領は1日、鉄鋼やアルミニウムの大量輸入が安全保障上の脅威になっているとして、輸入制限を発動すると表明した。「無期限で、鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を課す」と述べた。対象国など詳細は来週、正式に決定する。鉄鋼などの過剰生産が問題視される中国製が主な標的とみられるが、日本製も含まれる可能性がある。

 トランプ政権は安保上の脅威を理由に輸入制限を正当化する構えだが、「米国第一主義」に基づく保護貿易強化の措置に、中国だけでなく、輸出量の多いカナダや欧州連合(EU)など同盟国や友好国も反発している。日米などの株式市場は貿易摩擦の激化を懸念して大幅に下落した。

 トランプ氏は同日、米鉄鋼メーカー幹部らとホワイトハウスで面会し、輸入制限措置に来週署名すると明言。「(中国などとの)競争条件が均等になることで、米メーカーの雇用は増えるだろう」と述べた。

 鉄鋼業の復興はトランプ氏の公約。米国では11月の議会中間選挙のほか、今月13日に鉄鋼業が盛んな東部ペンシルベニア州で下院補欠選挙も控えており、有権者に雇用創出をアピールする狙いがあるとみられる。

 輸入制限は、安保上の脅威を理由に一方的な対抗措置を取れると定めた米通商拡大法232条に基づく措置。商務省が2月、鉄鋼やアルミの大量輸入を放置すれば米メーカーが衰退し、国防に悪影響が出るなどとして、トランプ氏に輸入制限を勧告していた。

 だが、輸入制限を発動すれば、米自動車産業などは安価な鉄鋼製品に頼れずにコスト増を強いられ、自動車価格の上昇を招き、ツケが消費者に回る恐れがある。中国やEUなどが農産物など米国からの輸入に対して報復措置を取る「貿易戦争」に発展する可能性も懸念される。

 伝統的に自由貿易を重視する与党共和党内からは今回の輸入制限を批判する意見も上がっている。日本など同盟国を対象とするかどうかを含め、輸入制限の内容について、正式発表まで曲折も予想される。

=2018/03/03付 西日本新聞朝刊=

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