米朝首脳初会談へ 正恩氏、核実験凍結約束 トランプ氏「5月までに」

西日本新聞

 【ワシントン田中伸幸】米ホワイトハウスは8日(日本時間9日)、トランプ大統領が北朝鮮の非核化実現のため金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と会談すると発表した。同日、トランプ氏と会談した韓国の鄭義溶(チョンウィヨン)大統領府国家安保室長によると、首脳会談開催は正恩氏が要請し、トランプ氏が「5月までに会談する」と述べ、受け入れた。正恩氏は核・ミサイル実験の凍結も約束した。米朝首脳会談が実現すれば史上初。北朝鮮の核・ミサイル問題の転換点となる可能性がある。

 米政府によると、会談の日時や場所は未定。トランプ氏が正恩氏と会談する意向を示したことを受け、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は9日、声明を出し「(4月末に開催予定の)南北首脳会談に続き、(米朝)2人の首脳が会談するならば、朝鮮半島の完全な非核化は本格的な軌道に乗るだろう」と期待感を示した。

 ただ、米国内には、高官レベルの交渉ルートが乏しい中、米朝間のトップ同士の会談が失敗に終われば関係修復が一層困難になり、衝突の可能性が高まるとの懸念も広がっている。

 鄭氏は今月5~6日に平壌を訪問し、正恩氏と会談。鄭氏は会談内容をトランプ政権に説明するため8日にホワイトハウスを訪れた。米メディアによると、同日はトランプ氏との面会予定はなかったが、トランプ氏が正恩氏の発言を直接伝えるよう求めたという。

 鄭氏によると、正恩氏は平壌での会談で非核化に取り組む意思を示し「これ以上の核・ミサイル実験を控える」と発言。米韓合同軍事演習の実施にも理解を示した。その上で「トランプ大統領とできるだけ早く会うことに熱意を表明した」という。

 トランプ氏は8日、ツイッターで「金正恩氏が非核化に言及し、ミサイル発射も停止していることは大きな進展だ。会談が設定される!」と投稿。一方、「合意に達するまで制裁は続ける」とも発信し、過去の北朝鮮との対話で核実験停止などの合意に達しても北朝鮮がその後、破棄してきたことを踏まえ、北朝鮮が非核化に向けた具体的な行動を取らない限り、圧力をかけ続ける方針を示した。

■来月初旬に首相が訪米

 安倍晋三首相は9日、トランプ米大統領と電話会談し、4月初旬にも訪米し、首脳会談を行うことで合意した。首相は米朝首脳会談が開かれる見通しになったことについて「北朝鮮が非核化を前提に話し合いを始めると申し出た変化を評価する」と述べ、会談で両首脳は北朝鮮の変化について「高度な圧力をかけ続けた成果だ」という考えで一致した。電話会談は約30分間行われ、終了後、官邸で記者団に語った。

 会談で首相は「北朝鮮が完全で検証可能、かつ不可逆的な非核化に向けた具体的な行動を示すことが必要だ」と指摘。大統領は「制裁と軍事的圧力を継続していくことは当然だ」と述べた。

 首相は大統領に対し、「拉致問題解決に向けて、大統領の力もお借りしたい」と語り、大統領も「それは当然のことだ」と応じたという。

=2018/03/10付 西日本新聞朝刊=

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