なぜ?佐賀市にカラスの大群 2倍に急増 道路にふん…駆除追いつかず 悩む自治体

西日本新聞

 佐賀市中心部に近年、カラスの大群が飛び回り自治体関係者を悩ませている。特に秋から冬にかけて急増し、ユーラシア大陸から越冬のために渡ってくる「ミヤマガラス」がねぐらに利用していると見られる。同市は箱わなで駆除を試みるが、抜本的な改善には至らず知恵比べが続く。なぜこんなに多いのか。

 「カァー、カァー」。今月初めの夕刻。佐賀市の県庁周辺の上空を大勢のカラスが旋回し、電線や木に止まり始めた。一帯はまさにカラスの森。路上には多くのふんが落ち、歩行者が避けながら行き交う姿があった。

 市環境政策課によると、市内には年間を通じてくちばしが太い「ハシブトガラス」と、細いくちばしが特徴の「ハシボソガラス」が生息し、10月上旬から翌年3月下旬にかけてミヤマガラスが飛来する。夕方の時間帯に中心市街地に集まるカラスは昨年10月が1日当たり5416羽(前年同期比872羽増)だったが、今年2月は同1万1090羽(同647羽増)に上り、ミヤマガラスの飛来時期は約2倍に増えている。

 大群の理由について専門家の見方はさまざまだ。佐賀大農学部の徳田誠准教授(生態学)は「猛禽(もうきん)類などの天敵が少なく、ねぐらになる木が多いからではないか」と推測する。県庁近くには神社や公園があり、カラスが身を隠せる樹木が多い。

 一方、佐賀野鳥の会は「郊外に佐賀平野が広がり、えさが豊富にある。建物の排熱による暖気を好み、夜に羽を休めようと寄ってくるんだろう」と指摘する。

 住民からは「道路が汚いので清掃してほしい」「ごみ置き場が荒らされている」と相談が相次ぐ。市は2014年度から水とパン、おとりを入れた箱わなを9月から翌年3月にかけて中心部の4カ所に設置し、16年度は757羽を捕獲した。県もカラスが止まらないように木の枝に針金を巻き付け、剪定(せんてい)作業をするが、すぐに別の木に移ってしまう。

 市環境政策課は「なぜ多いのかが分からず対策が難しい」と困り果てており、「住民に迷惑がかからない範囲で箱わなを増やすことを検討する」としている。

=2018/03/14付 西日本新聞朝刊=

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