「薬草博士」が植物画展 玄海町で甘草栽培研究の正山さん 退職記念、精緻な40点 15日から福岡市で初個展

西日本新聞

 玄海町の「薬用植物栽培研究所」で甘草栽培を研究する正山征洋さん(74)=長崎国際大薬学部教授=が15~18日、福岡市・天神の「ギャラリー風」で植物画の初個展「ボタニカルアート展」を開く。「薬草博士」としても親しまれてきたが、今月末に大学を退職する記念も兼ね、長年の研究で培った植物への鋭い観察眼と愛情がこもった水彩画約40点を展示する。

 ボタニカルアートは植物の構造を正確に描き取る図画で、中世の西洋で薬草を見分けるために発達した。大航海時代にヨーロッパに新しい植物がもたらされると、貴族たちは競って画家に植物を写生させ、次第に芸術鑑賞の対象にもなった。17~18世紀には博物学の進展や印刷技術の発達で大衆に広まり、植物図鑑が盛んに刊行された。

 正山さんは1960年代から九州大で漢方薬の研究を進め、原料生薬の成分分析法の開発や薬用植物の育種法などを確立した。2007年から長崎国際大教授となり、翌08年に薬用植物栽培研究所で甘草の栽培研究を開始。サフランや大麻、薬用ニンジンの研究でも功績を重ね、2012年に西日本文化賞を受賞した。

 ボタニカルアートに出合ったのは約30年前。ハンガリーの古書店で18世紀の作品を見て「正確さと美しさを兼ね備えた職人の仕事に魅了された」という。以来収集を続け、2年前に一般向けの手引書「ボタニカルアートの薬草手帖」(西日本新聞社刊)を出版した。

 個展では自ら描きためてきたボタニカルアート作品を初めて一堂に公開する。「研究生活の中で、植物の生きざまや美しさに励まされてきた」と話し、作品のほかにボタニカルアートの歴史や薬学研究に関する展示も予定しているという。

=2018/03/15付 西日本新聞朝刊=

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