柳川高校が6カ国に海外事務所 私学の少子化生き残り戦略、留学生比3分の1目指す

西日本新聞

柳川高がベトナムのダナンに開設した現地事務所で笑顔を見せる現地学生 拡大

柳川高がベトナムのダナンに開設した現地事務所で笑顔を見せる現地学生

 少子化で地方の高校の定員維持が難しくなる中、柳川市の私立柳川高(866人)がアジアと欧州の計6カ国に事務所を開設した。事務所を拠点に同校への留学を勧誘し、現在は、生徒の5%程度である外国人留学生の比率を、2022年度には3分の1に拡大させる目標だ。県私学振興課によると、県内の高校の海外事務所開設は初めてで、地方における私学の生き残り戦略として注目される。

 同校は留学生呼び込み策の第1弾として、2016年5月、タイ南部のナコンシータマラートに、タイ人の子どもを対象とした付属中を開設した。19年度以降、年100人の卒業生のうち3割程度を柳川高へ留学させる計画で、寮などの受け入れ準備を進めている。

 海外事務所は、さらに留学生の多様化を図るのが狙い。昨年5月に(1)ダナン(ベトナム)(2)ビエンチャン(ラオス)(3)バンドン(インドネシア)に開いたのを皮切りに、同9月にはサムイ島(タイ)、同10月には上海(中国)とロンドン(英国)に設置した。

 経費を抑えるため、姉妹提携先の高校や日本語学校、国際協力機構(JICA)の元職員の現地事務所などに協力を依頼。学校などの一角に柳川高事務所の看板を掲げてカウンターなどを設置。提携先の現地職員が柳川高への留学法や費用、受け入れ態勢などを学生に説明しているという。

 同校はテニスや野球で全国的に知られるが、生徒数はピークだった1989年度(2938人)の3割に減った。23年前に国際科を新設して徐々に留学生を増やし、現在はタイ、台湾など4カ国・地域から計47人が在籍している。

 背景には、筑後地区の中学卒業者数が4年後には約800人減ることへの危機感があったという。古賀賢(けん)校長兼理事長は「これからの高校には、地方へ人を呼び込む役割も求められる。多様な国の友人と学ぶことは、日本人の生徒にとっても国際社会へ出て行く上で必ずプラスになる」と話す。

=2018/03/26付 西日本新聞朝刊=