「現場を無視」地方議員、なり手不足解消へ提言 総務省の研究会 地方団体からは否定的な声

西日本新聞

 町村など小規模自治体の議員のなり手不足解消に向け、総務省の有識者研究会は26日、新たに2タイプの議会の形態を設け、現行議会を含めて自治体側が形態を選べるようにする制度の創設を、野田聖子総務相に提言した。議員専業で生活できるよう報酬を上げたり、兼職・兼業規制を緩めたりできるようにする。対象となる自治体の規模など具体的な仕組みを検討し、同省は早ければ来年の通常国会での法改正を目指す。ただ、地方団体からは「現場の声を無視している」などの否定的な声が上がっている。

 提言したのは「町村議会のあり方に関する研究会」(座長・小田切徳美明治大農学部教授)。昨年6月、高知県大川村が地方自治法に基づいて村議会を廃止し、有権者が直接議案を審議する「村総会」を設置する検討を始めたことを受けて発足し、議論してきた。

 提言された新たな議会の形態は、少数の専業議員による「集中専門型」と、兼業議員中心の「多数参画型」の2タイプ。

 「集中専門型」は定数を大幅に削減する一方、議員報酬は「生活給を保障する水準」に引き上げる。有権者からくじなどで選ばれる「議会参画員」が重要議案の審議に加わる制度も創設。議決権は無いが、女性や若者らの意向も反映するとともに、議員のなり手育成にもつなげる。

 「多数参画型」は選挙区を集落や校区単位に細分化。兼業議員の負担軽減のため、夜間・休日に議会を開く。地方自治法で兼職が禁じられてきた公務員が他自治体の議員になることもできる。報酬は副収入的な水準に引き下げる。

 小田切座長は「町村議会の持続に向け、両極端の理想的な議会像を示した」と述べ、野田総務相は「町村が元気になるよう研究したい」と応じた。

 人口減や過疎化に伴い、小規模自治体の議員のなり手不足は深刻化。2015年の統一地方選では、人口千人未満の市町村の6割超が無投票となった。月額報酬は、市議が約41万円なのに対し、町村議は約21万円にとどまっている。

=2018/03/27付 西日本新聞朝刊=

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