平和の願い込めた「永井千本桜」満開 被爆した医師が70年前に植樹

西日本新聞

 長崎地方気象台は26日、長崎市で桜(ソメイヨシノ)が満開になったと発表した。平年より8日、昨年より12日早い。同市浦上地区では長崎原爆で被爆し、平和を訴え続けた医師、永井隆博士(1908~51)が70年前に植え、復興の象徴となった「永井千本桜」が見頃を迎えている。永井博士の孫で、市永井隆記念館の永井徳三郎館長(52)は「寿命が来るまで、平和への思いを伝え続けてほしい」と願っている。

 永井館長によると、花が好きだった永井博士は「焦土となった浦上を、桜があふれる丘にしたい」と桜の植樹を計画。著作「ロザリオの鎖」「この子を残して」などの印税や私財を投じて約1200本のソメイヨシノの苗木を買い、48年に地元住民らが学校や教会、道路沿いなどに植えた。

 その後、宅地開発や台風災害などで数は激減。70年前から現存するのは浦上天主堂や山里小などに残る約20本になった。永井桜の枝を切り取り、接ぎ木で育てた「2世」に代替わりした場所も多いという。

 永井桜のうち、永井館長が「最も立派」と太鼓判を押すのが、山里小校門近くの路上に立つ桜。淡いピンクの花を無数に付けた枝が四方八方に伸び、通行人の目を楽しませている。4月の入学を前に通学路を確認中だったという双子の姉妹、中村紗英ちゃん(6)、紗季ちゃん(6)は「花びらが舞うところや、色がきれい」と見とれていた。

=2018/03/27付 西日本新聞朝刊=

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