神と仏を一緒にすることはまかりならん-…

西日本新聞

 神と仏を一緒にすることはまかりならん-。150年前のきょう、明治政府は神仏習合を禁じる「神仏分離令」を布告した。神道の保護と国教化を進め、天皇の権威を絶対的なものとする狙いだ

▼これに伴い、仏教を迫害する廃仏毀釈(きしゃく)運動が過熱した。寺院や仏像が壊され、多くの文化財が失われた。寺領の没収で困窮した奈良・興福寺は五重塔を競売に。落札価格は焼却処分した後に残る廃材の見積額だったという。類焼を恐れた住民の反対で、国宝の塔は焼かれずに済んだ

▼今の世には「政官分離令」が必要かもしれない。森友学園問題を巡る佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官の国会証人喚問で、改めて思った

▼佐川氏は安倍晋三首相や昭恵夫人、政治家の指示はきっぱりと否定した。一方で「誰の指示で」「何のために」などの核心部分は証言を拒んだ。決裁文書から首相や夫人の名が消えた理由も答えなかった

▼それほど隠したいのか。そんな印象がかえって強まる。公文書改ざんという犯罪に等しい行為に役所ぐるみで手を染めたのは、1強政権の権威を絶対視した官僚の忖度(そんたく)ではなかったのか。疑念は一向に晴れない

▼権威の源は安倍政権が握る中央省庁幹部の人事権だろう。国民の代表である政治家に仕えることと出世や保身のための忖度を一緒にすることはまかりならん。その温床も正さねばなるまい。官僚のモラルの類焼で霞が関の信用が焼け落ちる前に。

=2018/03/28付 西日本新聞朝刊=

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