「忘れないよ」40年間、園児見守った学び舎に別れ 地震で被災 建て替え困難と判断

西日本新聞

 熊本地震で被災した御船町高木の町立高木保育園で28日、閉園式があった。地震で園舎は大規模半壊し、町は現地での建て替えは困難と判断。4月からは民間事業者が近くに新設する保育園に引き継ぐ。この地で40年間、園児の成長を見守った学びやに、園児や卒園生は感謝を込めた。

 同園は1978年4月に開園。これまで743人が巣立った。地震で園舎や園庭、駐車場などに亀裂が入ったり、段差ができたりするなどの被害を受けた。町は保育を継続できる状態ではないと判断。地震後2年間は、役場近くの旧恐竜博物館を仮園舎として使ってきた。4月からは町内の社会福祉法人が新設する認可保育園に在園児らは移る。

 被災の痕跡が残る園舎で行われた閉園式には約70人が参加。野口壮一園長(55)は「これまで築いてきた地域との連携を継承して、新たな歴史を刻んで」とあいさつ。藤木正幸町長も「思い出が詰まった保育園。耐え難い寂しさがある。新しい園は復興のシンボルとなってほしい」と述べた。

 卒園生で高木小4年の甲斐航君(10)は、会場に並んだ思い出の写真を見ながら、「人に優しくしたり、助け合ったりすることをここで学んだ」と振り返った。近くに住む理容師の高松伸和さん(41)は娘2人と親子2代の卒園生。「楽しかった思い出しかない」とつぶやいた。最後の卒園生になった吉住奏斗君(6)は「遊んだこと、忘れないよ」と笑った。

 最後に桜吹雪が舞う中、「ありがとう」と感謝を伝えながら、全員で真っ青な空に向かって風船を飛ばした。

=2018/03/29付 西日本新聞朝刊=

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