米韓FTA保留示唆 「北朝鮮と非核化合意まで」 トランプ氏、韓国をけん制

西日本新聞

 【ワシントン田中伸幸】トランプ米大統領は29日、北朝鮮政策で連携強化が不可欠な韓国に対して「韓国と今週、(米韓自由貿易協定=FTA=の)大筋合意をしたが、北朝鮮との合意ができる後まで保留するかもしれない」と言及した。北朝鮮の非核化を巡る前進がなければ、米韓で再交渉してまとめたばかりのFTA合意に影響が及ぶ可能性を示唆し、韓国に妥協しないようけん制した格好だ。

 同日、インフラ整備など経済対策の促進を訴えるため訪れた中西部オハイオ州での演説で述べた。

 米国内には、4月27日に決まった南北首脳会談などで、韓国が北朝鮮に過度な譲歩をするのではないかとの見方があり、トランプ氏の発言は韓国側にくぎを刺す狙いとも受け取れる。

 ただ、核問題と直接関係のない通商問題を引き合いに同盟国に圧力をかけるような発言に、米メディアからは「FTA合意を遅らせることが、北朝鮮問題の前進にどうつながるか不透明」(ニューヨーク・タイムズ紙)など、真意をいぶかる声が上がった。

 29日会見した国務省のナウアート報道官が、トランプ氏の発言について問われ「大統領がそう言ったのなら、ホワイトハウスに聞いて」と、いら立った様子で答える場面もあった。

 一方、マティス国防長官は、トランプ氏が次期国務長官に指名したポンペオ中央情報局(CIA)長官や、ボルトン次期大統領補佐官(国家安全保障問題担当)と相次ぎ会談。5月にも予定される米朝首脳会談に向け、北朝鮮政策を担う新メンバーによる協議が今後、活発化するとみられる。

 ただ、対話による解決を支持するマティス氏に対して、ポンペオ、ボルトン両氏はいずれも対北朝鮮強硬派。特にボルトン氏は核問題解決に向けて武力行使も辞さない姿勢を見せており、この日が初会談だったマティス氏がボルトン氏に対し「あなたは人間の姿をした悪魔と聞いている」とちゃかす一幕も。

 トランプ氏は政策決定に際し「いろんな意見を聞く」と言うものの、新体制下でも激しい意見対立が生じる懸念がくすぶる。

=2018/03/31付 西日本新聞朝刊=

PR

国際 アクセスランキング

PR

注目のテーマ