2学期制に再び注目 福岡県の小中学校で導入が増加 授業数確保、教員負担減狙う

西日本新聞

 2002年度に完全実施された学校週5日制などを契機に拡大した2学期制が、福岡県内の公立小中学校で再び注目されている。導入校数は一時減少に転じたが、15年度から再び増え、18年度も福岡市、那珂川町で増加する。20年度からの新学習指導要領の実施に伴い授業数増が見込まれるのに備え、教員の負担減を図る狙いもある。

 「教員が児童に向き合う時間が増え、けがやけんかによる病院の搬送件数が減った」。17年度に2学期制を始めた県内のある小学校校長は意義を強調する。2学期制か3学期制かの選択は、市町村教育委員会や各校の裁量に任されている。

 2学期制の利点は、終業式と始業式が少ない分だけ授業時間を確保でき、通知表の作成回数減などで教員にゆとりが生まれることなどがある。この小学校では、通知表のための児童の評価回数が減る分、保護者と教員の面談回数を2回に増やし、国語、算数、理科、社会のテスト結果などを使い児童の状況を説明しているという。校長は「学校の“手抜き”と思われないためにも、保護者の理解を得る説明が大切」と話す。

 福岡県教委によると、県内の公立小中学校の2学期制導入校は、03年度の3校からほぼ年々増加し、12~13年度は122校。14年度には120校に減ったが、15年度から再び増加し、17年度は県内の13%に当たる138校になった。18年度はさらに福岡市で7校、那珂川町で6校増える。

 文部科学省によると、全国平均では07年度に20%に達し、以降も15年度まで同水準を保っており、福岡県内の導入割合は全国より低い。それでも福岡県小学校長会が実施した17年度の調査では、導入済みの全97校が肯定的な意見を寄せるなど、20年度からの新学習指導要領実施に向け、今後も増えていく可能性がある。

 2学期制を取り入れる小学校長の一人は「18年度からは道徳が教科化されるし、卒業を控える6年生の3学期は特に授業時間の確保が難しい。適切に全教科を評価する上でも2学期制が有効」と話している。

 一方、10年以上にわたり全小中学校で2学期制を続けてきた長崎県大村市は、20年度から3学期制に戻す予定。2年前の調査で教員の70%が2学期制を支持したものの、通知表の回数が減ることへの不満などから保護者は25%にとどまり、38%が3学期制を支持した。同市教委は、他地域は3学期制が多く、各種大会での日程調整が難しいといった問題も考慮したという。

=2018/04/02付 西日本新聞朝刊=