ゲンジボタル 卵のときからチカチカ光る

西日本新聞

 世界に2千種類もいるといわれているホタルですが、日本には約40種類がすんでいます。その中でも昔からよく知られているのがゲンジボタルとヘイケボタルです。

 ゲンジボタルはまさにその代表格。からだも大きく、光りながら群れて飛ぶ情景を一度でも見た人は、終生忘れることのできない印象を植え付けられてしまうといってもいいでしょう。

 ゲンジボタルとヘイケボタルの特徴は、幼虫時代を水中で過ごすことです。他の種類のホタルのほとんどが水とは関係のない陸地で一生を過ごし、光らずに昼間飛ぶものもたくさんいます。

 闇の中で光る行動は、実はオスとメスとが出会うためのコミュニケーションなのです。先に生まれて光りながら空中を乱舞するオスたちに、後から生まれたメスが葉の上にとまり光の合図を送る。それをいち早く見つけたオスがメスのところへ飛んでいき交尾します。

 ホタルは体の中の化学反応で光り、その光は全く熱を出さない「冷光」といわれるものです。その仕組みはすでに卵のときから備わっています。卵は水辺のコケの中に、まるで「めんたいこ」をばらまいたように、産みつけられます。暗闇の中で目をこらすと、チカチカ光っている卵を見ることができます。幼虫になっても光り、土に潜ってさなぎになって、じっとしている間も時々光っています。

 ホタルは、はるか昔から多くの人々に親しまれてきた昆虫ですが、現代文明の中で、その数が徐々に少なくなっているのは残念でなりません。

この記事は2013年06月18日付で、内容は当時のものです。

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