見た目は赤ちゃんなのに、中身はおっさん…

西日本新聞

 見た目は赤ちゃんなのに、中身はおっさん。黒いスーツにブリーフケース。趣味はゴルフの練習。毒舌で人使いが荒く、何でも金で解決しようとする-

▼上映中の米アニメ映画「ボス・ベイビー」。天上からやってきた特別な赤ちゃん「ボス」が、ある任務を果たすために奮闘する。かわいらしい外見と言動の落差に大笑いさせられる

▼見た目と中身の落差といえば。公務員なのに、公文書を改ざんしたり隠したり。政治家なのに、憲法を軽んじる。一流企業なのに、安全に手を抜く。教師なのに、いじめから目をそらす…。笑えない落差が世の中にいっぱい

▼魔女なのに、心優しい普通の少女の物語「魔女の宅急便」を書いたのは角野栄子さん。児童文学界最高の「国際アンデルセン賞」の作家賞に選ばれた。日本人では3人目の名誉だ

▼角野さんは絵本「わたしがあかちゃんだったとき」(キャスリーン・アンホールト作)の翻訳も手掛けた。3歳の女の子がお母さんに「わたし、どんなあかちゃんだった?」と尋ねる

▼その仕事に就いたばかりの“赤ちゃん”だった頃のことは覚えているだろうか。わたしが公務員になった時はどんなだった? 政治家になった時は。志望の会社に入れた時は。初めて教壇に立った時は。胸に志や使命感があったはずだ。忘れてしまった人にボスのせりふを。「おい!そこがまさに問題なんだ! 一体何を学んできたんだ?」

=2018/04/06付 西日本新聞朝刊=

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