地下水の影響か?大分の山崩れ、専門家が指摘 「石が落ちてくる」数日前から異変も

西日本新聞

山が崩落し、民家が土砂に埋まった現場=11日午前10時33分、大分県中津市(本社ヘリから) 拡大

山が崩落し、民家が土砂に埋まった現場=11日午前10時33分、大分県中津市(本社ヘリから)

 山崩れがあった大分県中津市耶馬渓町では、ここ数日、まとまった雨は降っていなかった。なぜ大規模な土砂崩れが起きてしまったのか。地盤工学の専門家は、地下水の影響や、火山性の地盤の風化が原因ではないかと指摘している。

 11日午前、本社ヘリで上空から現場を見た福岡大の村上哲教授(防災地盤工学)は、崩れた山の斜面に水が湧き出ていたり、水が流れたりしていることに注目。「山がため込んだ地下水のため、土砂崩れが起きたのではないか」と話す。地元の建設会社幹部(41)によると、現場周辺は水がたまりやすく地盤が緩いことが、地元の建設関係者の間で知られていた。村上教授はさらに、現場付近は山頂が平らで、水がたまりやすい崩積土(ほうせきど)の斜面だと分析。急斜面のため崩れやすく、岩盤との境に沿って滑り落ちたとみられるという。

 大分地方気象台によると、土砂崩れがあった中津市耶馬渓町のアメダスの観測地点でまとまった雨が降ったのは、約3週間前。3月19~21日で計約70ミリを観測して以後は雨はほぼ降らず、今月10日までの1週間は、6日に4・5ミリ、7日に1・5ミリの雨が観測されたものの、8日から10日までの3日間は0・5ミリ以上の雨は観測されなかった。

 ただ、地元住民によると、数日前から山に異変があったという。土砂崩れに巻き込まれた男性が数日前から「裏山から石が落ちてくる」と話していたという。山が2、3日前から「ゴー」と地鳴りがしていたとの証言もある。村上教授は「なぜこのタイミングかは検証が必要だが、地下水に加え、地盤の風化などさまざまな要因が積み重なったのでは」とみている。

 一方、九州大大学院の三谷泰浩教授(地盤工学)は現場が溶岩台地で、川に沿って風化した山の斜面が浸食される「耶馬渓特有の現象」と分析。垂直方向に地盤の割れ目があり、その割れ目に沿うように、まず地盤が滑り落ちたと考えられるという。崩落地点のさらに上部には亀裂も確認されている。三谷教授は「雨が降ったり、崩れた土砂を除去したりすれば、さらに崩れる恐れもある。二次災害に十分な注意が必要だ」と警戒を呼び掛けている。

=2018/04/11付 西日本新聞夕刊=

PR

アクセスランキング

PR

注目のテーマ