僕は目で音を聴く(1) 「聞こえない世界」を生きて

 初めまして。東京都出身、福岡県久留米市在住の平本龍之介(ひらもとりゅうのすけ)です。生まれつき聴覚に障害があります。

 私は感音性難聴と呼ばれる障害です。内耳や聴神経など「感音器」と呼ばれる部分の障害によって起こるといわれていて、原因は加齢や病気などさまざま。根本的な治療法は見つかっていません。聞こえのレベルは115デシベルで、90デシベル以上が補聴器でも聞き取れないことが多い重度の難聴とされています。

 私は3日かかってもなかなか生まれてこなかった難産でした。親子とも、身体と心が限界に近づいたので、医者の判断により、鉗子(かんし)というはさみのようなもので両耳を挟まれ、引っ張られて出てきたそうです。それが原因で聞こえなくなったのではないだろうかと聞きましたが、はっきりとは分かりません。私がおなかにいたとき、周りで音楽が流れていると反応があったので、おそらく聞こえていたのでは、と母は言っています。

 「母と子の教室」(当時。現在は「トライアングル」)という言葉の教室に通い、発声の訓練をしました。嫌というほど訓練を受けましたが、おかげで発声ができる今の私がいます。

 小学校から中学校までは地域の学校で、高校はろう学校(現特別支援学校)に通いました。漫画家を目指し、専門学校に通ったものの、途中で一度挫折しています。安定した暮らしを考えて、サラリーマンを目指し職業訓練校で勉強するなど、人生はいろいろ不安定な道でしたが、今は結婚して、子どもも3人授かり、サラリーマン兼漫画家としてやっていくことができました。連載では私の人生の「聞こえない世界」のなかで体験してきた「あるある」をテーマにご紹介させていただきます。よろしくお願いします。(サラリーマン兼漫画家、福岡県久留米市)https://note.mu/hao2002a

プロフィール 本名瀧本大介、ペンネームが平本龍之介。1980年東京都生まれ。2008年から福岡県久留米市在住。漫画はブログ=https://note.mu/hao2002a=でも公開中。

※平本龍之介さんによる漫画「ひらもとの人生道」第1巻(デザインエッグ社発行)が好評発売中!

=2018/04/05付 西日本新聞朝刊=

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