「まさか自分が」世界で2例目の超貴重な発見も 78歳“化石博士”半世紀超の活動

西日本新聞 北九州版

 行橋市に「化石博士」がいる。初山俊太郎さん(78)だ。小学生時代に見た化石に魅了され、採集を始めて半世紀以上。これまでに世界で2例目といわれる化石を見つけるなど知る人ぞ知る収集家。その活動は衰えを知らない。

 初山さんは、門司区出身。長年、北九州市職員として働き、2000年に定年退職した。

 化石との出合いは、小学4年のころ。親戚宅で石炭の中にあった貝の化石を見たときだった。「怪しげに虹色に輝いていた」。少年の心に強い印象を残し、「自分でも採集したい」との思いを強く持った。

 20歳のとき、初めて採集に出掛けた。小倉北区の馬島に1人で向かった。「貝の化石の宝庫でしたよ」。初山さんによると、馬島に加え藍島(小倉北区)は、「芦屋層群」といわれる地層で、二枚貝や巻き貝、ウニ、クジラの化石が採集できたという。

■世界で2例目

 時間ができれば、二つの島や山口県に足を伸ばし、採集した。「夢中でしたよ」と初山さん。そんな時、大きな発見をする。

 1977年10月、藍島でペンギンのような空を飛べない鳥(プロトプテルム)の化石を見つけた。世界で2例目だった。「『まさか自分が』と思い、興奮しましたね」と振り返る。発掘現場の写真を撮って、額に入れ、今も大切に飾っている。

 「採集を始めたときは、化石のガイド本もなく、人に聞いたり自分で調べたりすることばかりだった」という。

 その後、鳥の化石は、山口県下関市豊田町で自ら見つけたエビの化石と一緒に、北九州市立いのちのたび博物館(八幡東区)に展示されている。

■展示会も開催

 初山さんの自宅には約千点の化石が保管されている。自ら採集したり、海外から手に入れたりした大切な“宝物”だ。

 2014年には行橋市で地層時代を決定する上で役立つ「示準化石」の展示会を開催。ほぼ原形をとどめているウミユリの仲間(約4億年前)やアンモナイト類(約7千万年前)、葉脈の様子も分かるシダ類(約2億3千万年前)など、17億年前から1万年前までの化石約40点を飾った。

 さらに、地元小学校での出前講座も実施。「少しでも化石を知ってほしい」との思いからだ。

 「自分で採集した石を割り、珍しい物が出てくるとわくわくする」と笑顔を見せる初山さん。「今後も時間を見つけて採集を続け、珍しい化石を探したい」

=2018/04/14付 西日本新聞朝刊=

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