アマゾンに躍動と輝き 唐津市出身 写真家 山口大志さんが作品集 7年かけ撮影

西日本新聞

 樹上で昼寝するサル、極彩色の花と毒カエル-。佐賀県唐津市出身の写真家山口大志(ひろし)さん(42)=東京都在住=が南米アマゾンで7年かけて撮影した写真集「AMAZON 密林の時間」を出版した。機上や陸上、水中で写した約300点は、動物園では見られない野生の姿と生命の輝きを余すことなく捉えている。

 アマゾンはブラジル、ペルーなど8カ国にまたがり、アマゾン川流域を中心に広がる世界最大の熱帯雨林。ブラジル国内の面積だけでも日本の国土の12倍にも及ぶ。山口さんは2010年から毎年通い、1年の半分を過ごすこともあった。

 動物の撮影は時間も場所も予定できない。ガイドや住民の目撃情報など少ない手掛かりを地道に手繰っていく。テントの中で息を殺して待っていると蚊に刺され、口の中には虫が入ってくる。ハチドリの撮影では1カ月待ったこともある。

 カメラ6、7台にレンズや備品、ドラム缶単位の燃料と食料を抱え、治安の悪い場所も移動した。ひたすら過酷な撮影を続けた源には「動物がどんな暮らしをしているかを知りたい」という探求心があった。

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 唐津市での幼少時代から昆虫採集や熱帯魚の飼育に夢中になり、地球儀を回してはまだ見ぬ土地に思いをはせた。唐津工業高卒業後は沖縄県の石垣島と西表島でダイビングの専門学校に通い、環境省の野生動物保護センターではヤマネコの生態研究に携わった。

 04年から「楽園」シリーズで知られる写真家の三好和義さんに師事。独立後はノンフィクション作家の山根一眞さんとルポ取材を重ねた。10年にはオーストラリアの砂漠で、小惑星探査機「はやぶさ」が大気圏に突入する瞬間を捉えた。ばらばらになって燃え尽きながら帰還する姿を写した1枚は新聞紙面も飾った。

 2人に学んだことは「好奇心を持って、諦めずに突き詰める」「映像に共感できるストーリーを持たせる」ことだという。今も自身が「心をふるわせる場所」のアマゾンでその大切さをかみしめている。「写真集をきっかけに子どもたちが生き物に興味と憧れを持ち、古里の自然や地球を愛する人になってくれるとうれしい」

 「AMAZON 密林の時間」(クレヴィス社、税込み2700円)の出版を記念した写真展が20~25日、福岡市博多区住吉3丁目の富士フイルムフォトサロンで開催中。山口さんのトークも。同サロン=092(289)7307。

=2018/04/20付 西日本新聞夕刊=

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