朝倉野菜をオフィスに配達 豪雨被災地農家、おいしく支援 企業、ボランティア新販路

西日本新聞

 福岡市の農産物販売加工会社「とどける」と、九州豪雨の被災地・福岡県朝倉市のボランティア団体「地元応援隊ひまわり」が協力し、福岡市内のオフィスに朝倉産の野菜をすぐに食べられる状態で届けるサービス「すぐベジ」を始めた。被災地の農家を長期的に、かつ気軽に応援できるビジネスモデルとして評判を呼んでいる。

 「すぐベジ」は野菜や果物、スムージーをオフィスに設置した小型冷蔵庫に週2回届けて、配達量または食べた量に応じて料金を徴収する。野菜や果物は食べやすいように一口大やスティック状、千切りになっていて、昼食のおかずやおやつにする利用者が多い。ドレッシングも一緒に販売している。野菜の約7割が朝倉産だ。

 これまでに、女性社員が多い会社を中心に23社と契約。通信販売のさくらフォレストでは、特に果物が人気で売れ残りは少ない。社員の中山寛さん(24)は「新鮮でおいしく、健康にも良くて、朝倉の支援にもなる優れたビジネスモデル」と満足度が高い様子だ。

 ひまわり代表の望月文さん(38)は昨年7月の豪雨災害後、農家を支援しようと傷ついて出荷できないナシや柿を買い取り、イベント会場などで販売を始めた。口コミで活動が広まると農家から依頼が相次ぎ、知り合いのとどける社長の國武悠也さん(28)に販路拡大を相談した。

 國武さんは朝倉市の隣の福岡県うきは市出身で、朝倉市の高校を卒業。被災地へ思い入れは強く、構想していた「すぐベジ」で朝倉産の野菜や果物を取り扱うことを決めた。

 試験営業を経て、朝倉市の望月さんの自宅を加工場に改装し、今年2月から本格的にサービスを開始。ひまわりが主に仕入れ先の農家の開拓、とどけるが販売や配達を担う。とどけるの利益の一部を加工場の使用料として、ひまわりに支払っている。「すぐベジ」は農家の支援が目的なので、野菜や果物の仕入れ価格は市場に卸すよりも高めに設定した。

 國武さんは「ひまわりの活動の継続性も重視している。将来は配達エリアを拡大し、加工場で新規雇用を生みたい」と話す。

=2018/04/21付 西日本新聞朝刊=

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