「あなたの一生」写真集に 北九州の勅使河原さんが「人生BOOK」制作 エピソード添え思い出鮮明

西日本新聞

 北九州市小倉南区の社会福祉士勅使河原航さん(28)が、結婚や子育て、家族写真などを1冊の本にまとめる高齢者向け「人生BOOK」の製本代行サービスを始め、人気を呼んでいる。写真と一緒にエピソードを盛り込む手法が受け、昨年の取り組み開始から依頼が相次いでいる。

 勅使河原さんは大学卒業後、群馬県の社会福祉協議会で働き、多くの高齢者と交流を重ねた。25歳の夏、子育て中の家族を対象にフォトブックを作る写真整理アドバイザーと出会い、「人生BOOK」制作のヒントを得た。

 2016年10月、大好きな祖母が余命半年の末期がんと知った。小学生のときには母に反対されながら、片道10キロある祖母の家に歩いて遊びに行く「おばあちゃん子」。祖母宅のアルバムをめくり、200枚以上の写真を持ち帰った。

 「新婚旅行で行った阿蘇は思い出の場所なのよ」。病院で見せた一枚一枚から、人生を振り返る祖母の目は生き生きとしていた。結婚、出産、マイホーム建設…。写真60枚とエピソードを約40ページに詰め込み、初めての「人生BOOK」が出来上がった。翌年他界した祖母の葬儀で披露した人生BOOKは好評だった。

 17年4月、北九州に帰郷したことを契機に、多くの人の人生BOOKを作ろうと決め、自身のホームページなどで募集を始めた。

 「祖母が送った人生を知りたい。直接聞くのは恥ずかしいし、きっかけづくりに」「自分史を孫に伝えたい」。依頼の動機はさまざまだ。写真の選定、対面でのエピソードの掘り起こし…。心を込め、労を惜しまない。1冊を完成させるのに2カ月かけることも。「家族を一つにできる本を作れることそのものが、ありがたい」と目を細める。

 遺品整理で故人の写真が捨てられない遺族の相談もあるという。勅使河原さんは「人生BOOKが、人生を前向きにとらえるきっかけになればうれしい」。

 料金は1冊3万円から。増刷は1万円から受け付ける。

=2018/04/25付 西日本新聞朝刊=

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