「島原子ども狂言」15年目に 野村万禄さんが異例の指導 伝統を継承する場に

西日本新聞

 島原藩主が文化芸能を奨励した史実にちなみ、島原半島の子どもたちが能や狂言を学ぶ「肥前島原子ども狂言」が、今年で15年目を迎えた。1年目から、国の重要無形文化財総合指定保持者である和泉流狂言師、野村万禄さん(52)=福岡市=が指導を担当。第一線で活躍する狂言師が継続的に特定の地域で指南する例は珍しく、運営担当者は「伝統を継承する貴重な場をこれからも維持していきたい」と意気込んでいる。

 江戸期の島原藩主、松平忠房は能楽の振興に力を入れ、島原城内に舞台を設けて自身も舞をたしなんだ。その後も藩主が就任する際に庶民が舞台鑑賞に招かれるなど、身分にかかわらず地域に能楽が浸透したとされている。

 子ども狂言は2004年、市の事業として城内にある島原文化会館でスタート。発案した同会館の民間運営委員が野村さんと知り合いで、依頼を受けた野村さんが島原の能楽の歴史や継承の熱意に賛同し、指導を快諾した。

 3~18歳の子どもたちを毎年30人程度募集し、応募が大幅に上回ることもある。稽古を通じて座り方や歩き方、おじぎの作法、腹式呼吸の発声などが身につくため、教育面での効果も人気の一因という。

 稽古は毎年5~10月に計11回行い、10月に天守閣前で開かれる「薪能」で観客約1200人を前に成果を披露する。野村さんはこのうち6回、座学や実技を指導し、自宅でも稽古できるように野村さんの小謡や舞を記録したCDやDVDも配布している。

 運営に携わる松尾卓次・島原城資料館解説員は「少子化にもかかわらず15年目を迎えられた。今後は子ども狂言の経験者が地域の能楽団体を引き継ぐ存在になってほしい」と話す。

 参加無料で、着物や小物も無料で貸し出す。今年の募集は今月27日が締め切りだが、5月16日の初稽古まで随時受け付ける。問い合わせは市社会教育課=0957(68)5473。

=2018/04/26付 西日本新聞朝刊=

長崎県の天気予報

PR

長崎 アクセスランキング

PR

注目のテーマ