人気アニメ「鉄人28号」が愛称の由来とか…

西日本新聞

 人気アニメ「鉄人28号」が愛称の由来とか。最初に着けた背番号が「28」だったからと知ったのは、悲報を告げるニュースで。プロ野球広島の「鉄人」、衣笠祥雄さんが逝った

▼度重なるけがを乗り越え、当時の世界記録となる2215試合連続出場を達成した。骨が折れてもグラウンドに立った衣笠さん。「痛みよりも、野球やってるほうが心が楽なんです。自分がいないチームをテレビで見てたら、もっと心は痛む」

▼アニメの鉄人は、正義を愛する少年がリモコンを操作することで鋼鉄のロボットが無敵のヒーローになった。衣笠さんの大記録も、類いまれな体の強さとたゆまぬ鍛錬だけでなく、野球を愛する少年のような心を持ち続けた結果であろう

▼ファンの記憶に刻まれた場面がある。1979年、巨人戦で西本聖投手から死球を受けて左肩甲骨を骨折した翌日のこと。代打で出場した衣笠さんは、激痛をこらえて3球フルスイング。空振り三振に倒れた

▼「1球目はファンのために、2球目は自分のために、3球目は西本君のためにスイングしました」と試合後に。死球を投じた西本投手への配慮にジーンときた。普段から死球を受けても怒らず、いきり立つ自軍ベンチを抑え、相手投手に「大丈夫だ」と目配せする人だった

▼その真摯(しんし)な姿勢と穏やかな言動は「哲人」の域か。亡くなる4日前までテレビ中継の解説を務めた。最後まで鉄人だった。

=2018/04/26付 西日本新聞朝刊=

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