信仰の場との共存課題「潜伏キリシタン」世界遺産へ

西日本新聞

 「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録勧告が出たことについて、研究者からは評価の一方、信仰を取り扱う難しさを指摘する声も出ている。

 長崎世界遺産学術委員会委員長を務めた服部英雄・九州大名誉教授は、原城跡で縮小を求められた部分を「幕府側の陣跡で史跡となっている場所なので残念」としながらも、「組み替えたストーリーを、海外の人にも理解してもらえて良かった」と語る。表面に出ないようにしていた信仰を説明していく上で、「資料館の充実、信仰の道具などの保存が重要」と主張する。

 「信者あってのものであり他の世界遺産とは違う」と、観光と信仰の両立を課題に挙げるのはキリシタン史に詳しい安高啓明・熊本大准教授だ。信仰の場を侵さずに駐車場など周辺整備をどう進めるか。支援や保護が特定の宗教への税金投入にもなる可能性も踏まえ、「伝統文化の一つとして捉えてもらえるように進める必要がある」と、関係者以外からも十分な理解を得る重要性を訴えている。

=2018/05/05付 西日本新聞朝刊=

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