柱の傷はおととしの 五月五日の背くらべ…

西日本新聞

 柱の傷はおととしの 五月五日の背くらべ ちまき食べ食べ兄さんが はかってくれた背のたけ-。懐かしい童謡「背くらべ」

▼少しでも高く見えるように一生懸命伸ばした背筋。中高年には「こどもの日」に付きものの思い出だろう。今どきは、柱に傷を付けると叱られそうだが、柱や壁に貼って記録を残せる身長計も売っている

▼形はどうあれ、毎年刻まれる成長の証しは親にとってもこの上ない喜び。このまますくすく、健やかに。柱の傷にはそんな願いが込められていよう

▼子どもの心に一生残る傷は決して付けさせてはならない。会員制交流サイト(SNS)を通じて子どもが性犯罪に巻き込まれるケースが増えている。警察庁のまとめによると、昨年1年間にSNSで知り合った相手からわいせつ行為などの被害を受けた18歳未満の子どもは1813人。統計がある2008年以降、最多となった

▼被害者のうち、中学生が37%、小学生も2%いた。悩み事などの相談に乗って信用させ、個人情報を聞き出して脅迫する手口が目立つという。スマホを手にした子が、背伸びして知らない世界をのぞいてみたいという気持ちは分かる。だが、無防備にネットの世界に踏み込めば、闇にからめ捕られる

▼ちまきには魔よけの効果があるという。背丈を測ってくれた兄さんに倣い、親や周囲の大人は魔が子どもに近づかないよう、心身の成長を見守りたい。

=2018/05/05付 西日本新聞朝刊=

PR

春秋(オピニオン) アクセスランキング

PR

注目のテーマ