南北繁栄は非核化が前提 文氏が声明「日朝改善支援」

西日本新聞

 【ソウル曽山茂志】9日に東京で開催される日中韓首脳会談を前に韓国大統領府が8日、文在寅(ムンジェイン)大統領の声明を発表した。文氏は4月末の南北首脳会談で合意した「完全な非核化」の実質的な進展が南北共同繁栄の前提とし、朝鮮半島の平和定着には日朝関係の正常化も重要との考えを表明。「半島と北東アジアの世界史的な大転換」に向け、日韓のさらなる連携強化の必要性を訴えた。

 文氏は、金正恩朝鮮労働党委員長が示した非核化の意思を踏まえ、史上初の米朝首脳会談で「スケールの大きな合意と具体的な案が示されることが重要だ」と強調。日米などに根強い北朝鮮への不信感を念頭に「性急な楽観は禁物だが、今回も失敗するだろうとの悲観論に陥ったら、何も始まらない」と述べた。

 南北首脳会談で、日本との対話に前向きな姿勢を示した正恩氏については「国際社会の要求を明確に理解している」として、率直で現実的な印象だったと説明。日朝関係正常化への最大のハードルになっている日本人拉致問題の解決には「慎重かつ、積極的な姿勢で対話を続ければ解決の糸口が見つかる」とし、韓国政府としても支援を続ける考えを改めて示した。

 一方、従軍慰安婦問題などの日韓の歴史問題に関しては、政府間の合意だけでは「被害者の心の傷を完全に癒やせない」と改めて指摘し、日本側にさらなる対応を求めた。その上で、日韓の未来志向的な関係構築の必要を確認した1998年の「日韓パートナーシップ宣言」の思想が「今でも有効」として、対話・交流の活性化、経済協力の強化の重要性を訴えた。

 昨年5月の就任以来、大統領として初訪日となる文氏は故郷の釜山に住んでいた当時、「天気が良い日は(長崎県)対馬が見え、山口県下関市を結ぶ連絡船で運ばれた日本製品に接する機会が多かった」と述懐した。

=2018/05/09付 西日本新聞朝刊=

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