「核兵器は絶対悪」 強い信念と活動を評価 「平和への誓い」代表に被団協・田中さん

西日本新聞

 8月9日の平和祈念式典で「平和への誓い」を読み上げる代表者に、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の田中熙巳(てるみ)さん(86)=埼玉県新座市=が選ばれた。被爆者団体の幹部や有識者による28日の審査会では、公募の最終選考に残った6人について検討。田中さんの「核兵器は絶対悪」との強い信念、海外でも積極的に核兵器廃絶を訴えてきた活動が高く評価されたという。

 田中さんは爆心地から約3・2キロにあった長崎市中川町の自宅で被爆した。ガラス戸の下敷きになったが負傷は免れ、被爆3日後、親戚を捜すため爆心地近くに入った。「建物が壊滅し、けが人や死体が3日たっても放置されていた」。筆舌に尽くしがたい光景が、長年の被爆者運動の原点だという。

 昨年から公募となった「誓い」の代表者に、当初は手を挙げるつもりはなかった。「長崎に住む被爆者が、長崎から誓いを立てるのが一番いい」と考えたからだ。ただ自身が長年訴えてきて、国連で昨年採択された核兵器禁止条約に、核兵器保有国や日本政府は背を向け続ける。被団協の構成組織「長崎原爆被災者協議会」(被災協)からも背中を押され、「重要な局面できちんと発言すべきだ」と思い改めた。

 「誓い」の発表時間は約5分。被爆直後の凄惨な光景や核兵器禁止条約の意義には触れるつもりだが「他にも言いたいことは多い。これから何を話すか考えていきたい」と田中さん。田上富久市長は「いろんな国際経験がある田中さんは発信力がすごく強い。多くの人が何を話すか聞きたいと思っている」と述べた。

=2018/05/29付 西日本新聞朝刊=

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