住宅地図上に「災害予測」表示 ゼンリンなど開発、朝倉市が運用開始 早期避難に活用
九州豪雨で被害を受けた福岡県朝倉市は31日、大雨の際、市民の早期避難に役立てる新しい気象災害予測支援システムの運用を始めた。住宅地図大手のゼンリン(北九州市)など4社・団体が開発。川の氾濫や土砂災害が迫ると、住宅地図に危険が及ぶ範囲が表示され、より早く的確な避難を促すことができる。
新システムは、気象庁の大雨や土砂災害情報などを自動的に集約し、災害が予測される地域を大型のモニターに映し出す。該当する地域を拡大すると、ゼンリンが作製した住宅地図が表示され、危険が及ぶ家が具体的に分かる。
避難に支援が必要な高齢者や障害者の情報をあらかじめ入力しておくと、災害時に要支援者がいる家かどうかが一目で把握でき、職員が電話などを使って早めの避難を求める。
これまでは、気象庁と国土地理院の地図情報による災害予測を避難勧告や指示に生かしていたが、よりきめ細かな避難対応が可能になる。市は新システムの情報を伝えるモニターを市役所本庁や支所など5カ所に設置する。起動に立ち会った林裕二市長は「有効に活用したい」と話した。
ゼンリンなどは新システムの実証実験をするため、4月に市と協定を結んだ。1年間は新システムを無償提供する。
=2018/06/01付 西日本新聞朝刊=