米、対中追加関税へ 1100品目、5兆円超対象 知財侵害に制裁

西日本新聞

 【ワシントン田中伸幸】米ホワイトハウスは15日、知的財産権の侵害を理由とする中国への制裁措置として500億ドル(約5兆5300億円)相当の中国製品に25%の追加関税を課すと発表した。米通商代表部(USTR)によると対象となる中国製品は計1102品目に上る見通し。中国商務省は同日、米国に対して同規模の報復措置を取るとの談話を発表。米側はこれに対抗する追加関税の検討も表明しており、世界一、二の経済大国間の対立激化は避けられない情勢だ。

 ホワイトハウスが同日発表した声明の中で、トランプ大統領は「中国との貿易は長い間、非常に不公平でもはや持続可能ではない」と言及し、追加関税は米国の知的財産が中国へ不当に移転するのを防ぎ、米国の雇用を守る上で不可欠な措置だと強調した。

 米メディアによると、トランプ氏はシンガポールでの米朝首脳会談から帰国後の14日、ホワイトハウスで経済担当閣僚らと対中制裁の方針を協議。政権内にはムニューシン財務長官など追加関税に反対する高官もいたが、トランプ氏が承認したという。

 中国製品への追加関税は、相手国の不公正貿易に対する一方的な制裁を認める米通商法301条に基づく。ホワイトハウスとUSTRの声明によると、対象は中国が産業育成に力を入れているロボットなどハイテク製品が中心。USTRは4月、約1300品目を対象とする追加関税のリストを公表し、産業界から意見を聴くなどして絞り込みの作業を続けていた。

 制裁措置は第1段階として7月6日から818品目を対象に発動。残る284品目については引き続き検討を続けるとしている。

 貿易に関する米中の対立を巡っては、米国による鉄鋼とアルミニウムの輸入制限措置に対して、中国は報復関税を発動している。両政府は貿易戦争への進展を避けるため閣僚級協議を重ねて対応を協議。中国は米国からの輸入を増やすことなどで合意していた。

 しかし、このまま米中の対立が深まれば、堅調な世界経済への影響が懸念される。

=2018/06/16付 西日本新聞朝刊=

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