<63>大切な「福岡」「小郡」

西日本新聞

●バルセロナ五輪女子マラソン日本代表 小鴨 由水さん

 私は国内各地のいろんな大会にゲストランナーとして招かれますが、中でも特に大切にしている大会が二つあります。「福岡マラソン」と「福岡小郡ハーフマラソン大会」。いずれも前身の大会から参加しており、私にとって切っても切り離せない大会なのです。

 シティマラソン時代の「福岡」に初めて出場したのは1993年。ダイハツを辞めて半ば引きこもり生活をしていた私は、そこで重松森雄監督と出会い、岩田屋女子駅伝部にやって来ました。思えば福岡での生活はもう22年で、一番長い土地になりました。この大会がなければ私は今頃、どこでどげんしよったかいねぇ…と感慨もひとしおです。

 「小郡」に初めて出場したのは2006年。次男を出産してわずか2カ月後でした。それがきっかけで、私はママさんランナーとしてマラソンに復帰。岩田屋の突然の休部から、ずっとくすぶっていた陸上競技への思いを、完全燃焼させることができたのです。

 この二つの大会が素晴らしいのは、地元の熱意が半端でないこと。「福岡」では、コースの数カ所で地元の住民や団体から給食が振る舞われます。ポン菓子にぜんざい、大学生が考案したゼリー。お薦めは、ツルッと食べられるカップ入りのうどんです。食いしん坊の私はいつもこれが楽しみなんですよ。沿道には応援の人々がほとんど途切れることはありません。ダンスやバンド演奏が、疲れたランナーを励ましてくれます。

 今年3月で40回の節目を迎えた「小郡」はアットホームな雰囲気が魅力です。もともとは地元の市民ランナーの団体が始めた記録会でしたが、田園地帯の走りやすい公認コースと、温かいもてなしで参加者が増え、今年は過去最多の約6千人が出場。私は猫ひろしさんとゲストランナーを務め、とても楽しい一日を過ごしました。私の元気のもとになる大会です。

 今年の「福岡マラソン」は11月11日に開かれます。私は道下美里さんとともに2014年の1回目からゲストランナーを務めており、今年も制限時間の7時間をフルに使い、ランナーと触れ合いたいと思います。

 一つだけ、1万2千人の参加予定者の方々にお願いが。一つの大会を成功に導くためには、住民の方々をはじめ、給水係、誘導係、メディカルランナーなど、大勢のスタッフの支えが欠かせません。その方々への感謝を忘れずに、思い切り走りを楽しんでください。

=2018/06/16付 西日本新聞朝刊=

PR

連載 アクセスランキング

PR

注目のテーマ