大阪で震度6弱 九州でも改めて「備え」を

西日本新聞

 大阪地方できのう、大きな地震が発生した。時間の経過とともに、深刻な被害の規模や様相が明らかになってきた。

 朝の通勤・通学時間帯と重なった。小学4年の女児が倒壊した学校のブロック塀の下敷きになって死亡するなど多数の死傷者が報告されている。尊い命が失われ、痛ましい限りである。

 観測された最大震度6弱は私たちが2005年に経験した福岡沖地震の震度と同じだ。今回も鉄道など主要な交通網が寸断され、都市機能がまひした。

 九州では、最大震度7を2回観測した熊本地震が一昨年4月に起きた。全国には少なくとも2千の活断層が存在する。地震はいつ、どこで起きるか分からない-その教訓をかみしめ、改めて防災・減災に努めたい。

 大阪で当面警戒しなければならないのは、同規模の地震が再び起きる可能性があることだ。

 熊本地震では当初、初めに起きた震度7の揺れが本震とみられていた。ところが2日後に起きた震度7の地震が実は本震で、最初の揺れは前震だと改めて発表された。

 ひとたび大地震が起きればエネルギーが放出され、揺れは徐々に終息へ向かうのではなかったのか-大きな衝撃だった。

 気象庁など関係機関はその後「余震」という言葉の使用を避けるようになった。余震は英語では「アフターショック」だ。直訳すれば「後震」で、前震の対語としては分かりやすい。

 近畿地方は比較的、地震とは縁遠い地域だと思われがちだった。阪神大震災は、その俗説を覆した。意表を突くという点で福岡沖地震や熊本地震のケースと同様ともいえるだろう。

 実際は政府の地震調査委員会によれば、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率は、大阪市が56%、神戸市で45%とされていた。

 熊本市の7・6%と比べれば、際立って高い数字であることが分かる。南海トラフ巨大地震の発生予測地域の一部であるためだ。九州では同様に大分市が56%、宮崎市は44%であることをここで再認識したい。

 度重なる地震を受け、建物などの国の耐震基準は強化されてきた。それでも熊本地震では、「震度6~7程度でも倒れない」とされる基準をクリアした住宅が多数倒壊した。まさに油断大敵である。

 福岡沖地震でもブロック塀の下敷きになった女性1人が亡くなった。建物本体の強度とともに塀などの点検が必要だ。

 熊本地震など九州の災害現場には医療、消防、行政関係者やボランティアが駆け付けてくれた。九州も大阪の被災地からの要望にできる限り応えたい。

=2018/06/19付 西日本新聞朝刊=

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