半数「転居して再建」 日田市の避難全世帯調査 過疎化へ拍車懸念

西日本新聞

 日田市が5月から行っている九州豪雨の避難全世帯訪問調査で、民間住宅を借り上げた「みなし仮設住宅」などで暮らす世帯の約半数が、元の自宅から転居して生活再建を望んでいることが分かった。新たな災害への不安を抱えているとみられる。避難生活を送っているのは今月20日時点で大鶴、小野地区の被災者を中心に、43世帯98人。被災集落の住民が移転し、過疎化に拍車が掛かる懸念が強まっている。

 21日の市議会教育福祉委員会で市が報告した。20日までに調査対象77世帯のうち、すでに自宅に戻った被災者も含め、73世帯で健康状態や困り事の聞き取りを終えた。73世帯中、今もみなし仮設や公営住宅で避難生活を送っているのは40世帯。うち20世帯(50%)が「別の場所に転居して住宅を確保する」と回答した。「今の住宅に入居しながら(今後を)考える」「未定」と答え、再建の見通しが立っていないのは14世帯(35%)。「元の場所で自宅を新築、改修したい」としたのは6世帯(15%)にとどまった。

 困り事に関しては、73世帯のうち42世帯(57・5%)が住宅再建や再び被災することへの不安を訴えた。住宅再建の不安では、高齢者が経済的な負担の大きさを理由に挙げる例が多かったという。介護サービスが必要だったり、長引く避難生活でストレスを感じていたりして、市が「継続的な見守り支援が必要」とした世帯は21世帯(28・8%)だった。

 聞き取りができていない残り4世帯は2世帯が訪問を不要とし、残り2世帯が日程調整中という。市社会福祉課は、「民間ボランティアや関係機関と連携して見守りを続けるとともに、庁内の部署間でも情報共有をして最適な支援を実施したい」としている。

 また、この調査では、市が大鶴、夜明地区の被災者向けに建設を検討している市営住宅への入居希望も尋ねた。結果を基に市は、建設候補地や家賃などを示しながら入居の意向確認をしているという。山中栄二・市企画振興部長は取材に「8月末までに市としての方向性を出したい」と述べ、建設することが決まれば9月議会に関連予算案を提案する意向を示した。

=2018/06/22付 西日本新聞朝刊=

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