怒りと上手にお付き合い イライラの対処法を知って自分を制御 アンガーマネジメント講師 村上隆昭さんに聞く

西日本新聞

「怒りはぶつけるのではなく、伝えるもの」と語る村上隆昭さん 拡大

「怒りはぶつけるのではなく、伝えるもの」と語る村上隆昭さん

 車の運転中、急な割り込みにイラッ…、子どもが部屋を散らかしっぱなしでイラッ…。日常生活でイライラすること、多いですよね? そんな怒りを上手にコントロールする「アンガーマネジメント」と呼ばれる手法があるそうです。企業研修などを手掛ける一般社団法人「日本アンガーマネジメント協会」(東京)本部講師、村上隆昭さん(48)=北九州市=に聞きました。

 アンガーマネジメントは家庭内暴力の加害者などの矯正プログラムとして1970年代に米国で開発された。日本でも近年はパワーハラスメントや体罰防止の研修として取り入れる例が増えているという。では、どうすれば怒りをコントロールできるのか。

 村上さんは、第一歩として「怒りはどこから来るのか」を知ることが大切だと指摘する。怒りの感情として表面化するのは氷山の一角で、その下には日常の不満などマイナス感情が積み重なっているのだという。「似た状況でも、怒るときと怒らないときがあるのは、自分の心の状態が影響しているから」

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 イラッとした時の対処法は三つのステップが大切だ。

【ステップ1】 6秒やり過ごす。怒りのピークが持続するのは最長6秒とされ、それを過ぎると冷静になりやすい。まずは「自分は今怒っている」と客観視する。それに気付いたら、飲み物を飲むような動作を挟んだり、深呼吸をしたり、「大丈夫」「まあ、いいか」などあらかじめ決めておいた自分を落ち着かせる言葉を唱えたりすると効果的だという。

【ステップ2】 「こうあるべきだ」という自分の価値観とは違っても、許容できるかどうかを考える=図。例えば、友人からのメールの返信が遅いことに憤慨しているケースでは「すぐに返信するべきだ」という自分の価値観を友人が持っていないだけで、十分許容できる範囲のはず。図のオレンジ色のゾーンが狭いほど怒りっぽくなるため、その領域を広げようと意識することが大切だそうだ。

【ステップ3】 どう行動するかを考える。あなたの目的は、単に激した感情をぶつけることではなく「相手に自分の思う行動を取ってもらうこと」のはず。その目的を達成するための適切な行動を考える。

 例えば、子どもが門限を守らないことに怒っている場合。「なぜ門限を守らないの、心配したでしょう。次は門限を守って」と叱るのではなく、順序を(1)要求(2)感情-に入れ替え「約束の時間に帰ってきてね、心配したでしょう」と伝えると、いい。感情的な言葉を先に言うと、相手の反発を招きやすいからだ。

 声を荒らげたり手を出したりは絶対だめ。指摘するとき「いつも」「毎回」という言葉を使うと相手に響かなくなるので避ける。

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 実は、村上さんもイライラしやすいタイプだという。「試しに30分間の車の運転で、イライラした回数を数えたら15~20回でした」。社会的問題となった「あおり運転」も怒りが主な原因とも。運転中は、守られた空間にいる上、相手の顔が見えないため、インターネット上の書き込みと同じように攻撃的になりやすく注意が必要だという。

 村上さんは「怒りは人間の基本的な感情で、否定するものではない。付き合い方を覚えることで人生はきっと豊かになる」と語る。

=2018/06/29付 西日本新聞朝刊=

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