九州の元信者、事件悔い 弁護士「謝罪ほしかった」

 「自分も償いたい」「区切りがついた」…。松本智津夫死刑囚の出身地である九州でも、元信者や事件の関係者らがそれぞれの立場で刑執行を受け止めた。

 「あれだけの事件を起こしたのだから当然だ」。福岡県の元信者の60代女性はニュースを聞き、憤った。

 地下鉄サリン事件が起きた1995年、女性の通っていた福岡市博多区の道場にも警察の強制捜査が入った。当時、信者はマインドコントロールされ、女性は状況を理解できなかった。「教団の裏を何も知らなかった。後で事実を知り、胸がつぶれる思いだった」

 今、後継団体「アレフ」の信者を脱会させる活動に携わっている。「事件は被害者や遺族など多くの人の一生を台無しにした。教団を支えた信者にも道義的責任がある。一生かけて償いたい」と心情を明かした。

 松本死刑囚は熊本県八代市の出身だが、実家は親族の死去に伴って解体され、今は更地になっている。松本死刑囚の弟とよく遊んだという自営業男性(57)は「やっと区切りがついた。風化させてはいけないが、地元の人間としては早く忘れたい事件だ」と語った。

 94年には、オウム信者が宮崎県小林市の元旅館経営者を拉致する事件も発生した。告訴代理人を務めた年森俊宏弁護士(60)は宮崎市で記者会見し「執行は当然。なぜこんなことをしたのか。きちんと説明し、被害者や社会全体に謝罪してほしかった」と強調した。

 公安調査庁は6日、アレフの福岡施設(福岡市博多区)と教団元幹部の上祐史浩氏が脱退して設立した「ひかりの輪」の福岡福津施設(福岡県福津市)に緊急の立ち入り調査に入った。福岡県警も両施設と、早川紀代秀死刑囚(68)の死刑が執行された福岡拘置所(福岡市早良区)のパトロールを強化した。アレフの福岡施設の近くに住む70代女性は「オウムのテロのイメージが拭えない。死刑執行が刺激になると怖い」と話した。

=2018/07/07付 西日本新聞朝刊=

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