救助活動の潜水士死亡 タイ洞窟閉じ込め2週間 酸欠原因か…脱出の危険性浮き彫り

西日本新聞

 【バンコク浜田耕治】タイ北部チェンライ県の洞窟内に、地元サッカーチームの少年ら13人が大雨による増水で閉じ込められて7日で2週間。タイ国軍などの救助当局は、13人に水没した洞窟内を潜水させて脱出させる構えだが、救出作業に従事していた経験豊富な潜水士が6日に死亡。この救出方法の危険性が改めて浮き彫りになっている。

 「悲しい知らせだ」。6日に記者会見したチェンライ県の副知事はこう切り出し、ボランティアとして救出作業に携わっていた元海軍特殊部隊の男性(38)が死亡したと述べた。少年らの救出活動を巡って死者が出たのは初めてだ。

 男性は13人が取り残されている洞窟内の岩場に空気ボンベを届けた後、潜水して戻る途中で意識不明に陥ったという。仲間の潜水士が蘇生を試みたが、6日午前2時ごろに搬送先の病院で死亡が確認された。酸欠が原因とみられる。

 今回の事故は関係者に衝撃を与えた。プロですら危険なのに潜水経験のない少年たちに洞窟内の潜水は可能なのか-。報道陣に問われた海軍特殊部隊の幹部は「子どもたちには一番安全な道を選ぶ」と述べ、潜水による救助方法を見送る可能性も示唆した。

 少年らは洞窟入り口から5キロ奥の空洞で助けを待っているが、途中は水没し、空気ボンベを外して通り抜けざるを得ない狭い空間など、複数の難所があるという。軍幹部は「特殊部隊の潜水士ですら出口まで5時間を要する」と話す。

 地元メディアによると、13人は狭い岩場で2週間過ごしたため、健康状態が芳しくない。医師の診断によると、3人に極度の疲労の症状が出ているという。タイの雨期はあと数カ月続く見通しで、救助当局は洞窟内の水位が上昇する前に、13人を脱出させる方法を見つけ出す必要に迫られている。

=2018/07/07付 西日本新聞朝刊=

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