大雨特別警報 「梅雨末期」に厳重警戒を

西日本新聞

 日本列島の広い範囲が大雨に見舞われ、土砂災害やため池の決壊、列車の脱線など各地で被害が広がっている。

 気象庁はきのう夕方、福岡、佐賀、長崎3県に大雨特別警報を出した。「数十年に1度」の災害が差し迫ったときに発表される最大級の警報だ。

 梅雨前線が西日本から東日本まで横断するように停滞している。列島がこれほどの規模で危険な状況になったことが近年あっただろうか。特に西日本に甚大な被害をもたらすとされる梅雨末期の大雨である。

 折しも九州で初めて大雨特別警報が出された九州豪雨の惨禍から1年を迎えたばかりだ。引き続き警戒を強め、早めの避難準備を心掛けるなど、命を守る行動を最優先したい。

 九州では、北部を中心に多くの地域で警報や避難情報が相次いだ。緊急度が最も高い「避難指示」は九州豪雨の被災地などだけでなく、福岡、北九州両政令市でも出された。北九州市門司区などで土砂崩れが起きた。

 都市部での豪雨は主要な交通網をまひさせる。人や物の流れを寸断し、被害は周辺市町村にも波及する。

 福岡市を襲った1999年6月末と2003年7月中旬の大雨は記憶に新しい。中心部を流れる御笠川が氾濫した。JR博多駅周辺が浸水するなど大きな被害が出た。

 その経験から市は、アスファルトにあふれる雨水を河川に誘導する施設を整備するなど、都市水害への対策を講じている。

 とはいえ、想定を超える近年の大雨に対しては一段と厳重な警戒が必要だ。福岡管区気象台によると、九州・山口では大雨が降る回数は1980年代の1・5倍近くに増えている。

 雨量を数字だけで見ても実感しにくい。避難する目安として改めて確認したい。気象庁は1時間雨量を5段階に分け、雨の強さで「人の受けるイメージ」を次のように表現している。

 ザーザーと降る(10~20ミリ未満)▽土砂降り(20~30ミリ未満)▽バケツをひっくり返したように降る(30~50ミリ未満)▽滝のように降る(50~80ミリ未満)▽息苦しくなるような圧迫感がある(80ミリ以上)。

 どの段階になれば、どのレベルの避難情報が出されるかは地形などの条件によって異なる。自治体が作成したハザード(被害予測)マップで自宅や職場周辺の情報を確認したい。

 大雨は8日ごろまで続き、記録的な規模になる可能性がある。たとえ一時的に晴れ間が見えたとしても、不要不急の外出は控えてほしい。いつ大雨に変わるか分からない-九州豪雨の教訓である。

=2018/07/07付 西日本新聞朝刊=

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