兜へし折り、人形引きちぎり……「山崩し」豪快に 博多祇園山笠 一番山笠・西流

西日本新聞

「追い山」を終えて、山笠を前後に揺らしながら「博多祝い唄」を唱和する西流の男たち 拡大

「追い山」を終えて、山笠を前後に揺らしながら「博多祝い唄」を唱和する西流の男たち

博多手一本を終え、舁き山を崩す西流の男たち 人形が無くなった山笠台を移動させて終了

 バリバリッ、バキバキッ!。へし折られる兜(かぶと)、引きちぎられる馬体…。つい1時間ほど前まで街を勇壮に駆けていた騎馬武者人形の面影が瞬く間に消えていく。福岡市の夏を彩る博多祇園山笠の「追い山」があった15日朝、すべての舁(か)き山笠が走り終えた後、一番山笠・西流(ながれ)の「山崩し(山解き)」が行われた。山笠人形を舁き手たちが豪快に壊す伝統行事。祭りを締めくくる最後の熱狂に舁き手も観客も酔いしれた。

 かつて山笠人形は直ちに解体するのが習わしだったが、近年は公共施設などで展示するケースが増え、今も昔ながらの「山崩し」を行うのは西流だけに。

 午前6時すぎ、山小屋(博多区冷泉町)近くの櫛田表参道に戻った舁き山笠。全員で「博多祝い唄(うた)(祝いめでた)」を歌い、博多手一本を入れたその瞬間が山崩しスタートの合図。

 「人形の出来が良かけん少し惜しかばってん、しょんなか」。そんな声も聞かれる中、満を持した十数人の若手が次々と山笠によじ登る。はぎ取った飾り物や人形の一部は無病息災の縁起物とされるだけに、争奪戦もヒートアップ。台上で怒鳴り合ったり転落しそうになったりする舁き手も。

 山崩しを見守った人形師の西川直樹さん(32)は元は西流の舁き手。「自分も以前は壊したし、そのつもりで作った人形だから」とさばさばした表情。初めて見たという中央区の柳原可奈さん(32)は「すごい迫力。いいものを見せてもらった」と目を丸くした。勇壮という言葉だけでは言い尽くせない荒々しさ。わずか1分ほどで人形の姿は跡形もなくなった。

 「祭り後の展示とかいらんこったい。西流だけは『山崩し』は絶対にやめん」と話すのは副総務の荒牧英敏さん(70)。この日、西流の櫛田入りは31秒01と、途中一時停止する一番山笠としては好タイム。すっきり空になった山笠台を次の当番町に届けた西村秀夫総務(72)は「立派な山笠が奉納できた。けが人もなく大満足の山笠だった」とほほ笑んだ。

=2018/07/16付 西日本新聞朝刊=

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