キャンプ地日南から被災地広島へ 恩返しの「たる募金」 口蹄疫、新燃岳、カープの支援受け

西日本新聞

西日本豪雨の被災地に義援金を送るため設置された「たる募金」と、提案した山口日登美さん 拡大

西日本豪雨の被災地に義援金を送るため設置された「たる募金」と、提案した山口日登美さん

 西日本豪雨で甚大な被害を受けた広島県に義援金を送ろうと、プロ野球・広島東洋カープのキャンプ地、宮崎県日南市の商店街の有志が「たる募金」を設置した。カープは戦後の創設期にファンからたる募金で支えてもらった歴史があり、広島では募金活動のシンボルといえるほど浸透している。日南市は口蹄疫(こうていえき)や霧島連山・新燃岳噴火に見舞われた時に球団から支援を受けており、市民たちは「今度は私たちの番」と恩返しを誓う。

 原爆投下からわずか4年、親会社を持たない市民球団として1949年に発足したカープは、焼け野原からの復興を目指す広島市民の光だった。資金難で51年春には解散寸前まで追い込まれたが、報道で窮状を知った市民が球場入り口に置かれた酒だるにお金を投げ入れて危機を救った。

 カープが63年からキャンプを続ける日南市の油津商店街では、商店街近くで洋服店を営む山口日登美さん(60)の発案で、9日から名選手ゆかりの品々を展示する「油津カープ館」にたる募金を設置。8月にはカープ戦のパブリックビューイングを催し、広く寄付を呼び掛ける予定だ。

 カープ球団は2010年に宮崎県で口蹄疫が発生した際に畜産農家支援へ300万円、11年の新燃岳噴火時には150万円を義援金として同市に寄付した。

 カープの緒方孝市監督(49)=佐賀県鳥栖市出身=と新人時代から親交がある山口さんは「宮崎県も口蹄疫などで球団や全国の人から支援を受けた。被災していない地域が力を合わせ、被災地を支えたい」と話している。

=2018/07/22付 西日本新聞朝刊=