世界のトヨフク作品身近に 「那の津往還」福岡市の彫刻家 専門ギャラリー、早良区に開設へ 国際市場に再アピール

西日本新聞

 福岡市の博多港引揚記念碑「那の津往還」などの作品で知られる世界的彫刻家、豊福知徳さん(93)=同市=の作品を展示する初の専門ギャラリーが同市早良区百道浜に開設される。8月中旬~9月にオープン予定。地元作家の顕彰だけでなく、コレクターの手元に埋もれている作品を掘り起こし、豊福さんをアートの国際市場に再認識させる狙いもある。

 豊福さんは福岡県久留米市出身。1960年のベネチア・ビエンナーレ出品を機にイタリアへ移住、40年以上、ミラノで制作を続けた。楕円(だえん)形の穴をいくつも開ける独特な作風は国内外で高く評価され、ローマ国立近代美術館や米カーネギーホールなどにも作品が所蔵されている。

 ギャラリーは、みぞえ画廊(福岡市)が開設。縦2メートル、横3メートルの木彫の大作「光の探求’85」など、画廊が所蔵する彫刻やデッサンを展示し一部を販売。豊福知徳財団(同)からも作品を借りて展示する。豊福さんの作品数は膨大だが、数年前から制作しておらず、国際市場にあまり出回らないという。画廊の阿部和宣さん(43)は「豊福作品を専門的に扱うことで国内外に眠っている作品を掘り起こし、国際市場での再評価につなげたい」と話す。来歴や功績を紹介するパネルや図録も置く計画だ。

 同財団理事長で美術評論家の安永幸一さん(79)は「代表作を常時見てもらえるのは喜ばしい。市場のみならず、美術的にも豊福さんを再評価する機会になる」と期待する。

=2018/07/24付 西日本新聞夕刊=

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