門司港レトロに新たなシンボル 「街見守る鳥」イメージの屋外彫刻 「過程も楽しんで」と公開制作

西日本新聞

 明治時代の歴史的建造物が残る北九州市門司区の観光地「門司港レトロ地区」に今秋、新たなシンボルがお目見えする。手掛けるのは門司港を拠点に活動する彫刻家の稲葉彬子さん(31)。縦横約1メートルの大理石を使い、鳥をイメージしたオブジェに仕上げて屋外に設置される予定で、制作の様子も公開されている。稲葉さんは「石の肌触りを体感できて、待ち合わせ場所としても親しまれるような作品にしたい」と意気込む。

 レトロ地区には、画家や染色家を育成する「門司港美術工芸研究所」がある。2015年に同地区開業20周年を記念し、芸術イベントを開催した地元の団体が「引き続き門司港からアートを発信しよう」と、研究所に彫刻制作を依頼。13年に研究所に入り現在、上席研究員の稲葉さんが担当することになった。

 石を使って自然や動物を表現してきた稲葉さんだが、野外の展示作品を制作するのは初めて。「鳥がどんと構えて街を見守っているイメージ」を思い描き、今年1月から作業を始めた。

 素材の大理石は、カルスト台地「秋吉台」で知られる山口県美祢市産。大きな原石を「石頭(せっとう)」と呼ばれる石彫用のハンマーとのみ、電動のグラインダーを使って、少しずつ削っている。

 制作場所の空きビル1階(同区浜町)は道路に面して開口しており、道行く人が足を止めて作業を眺めたり、話し掛けたりする。稲葉さんは「街の人とコミュニケーションが取れる場所。出来上がる過程も楽しんでもらえたらうれしい」と話している。

 完成は10~11月の見込み。レトロ地区で初の野外彫刻として、旧門司税関(同区東港町)近くに設置される。

=2018/07/30付 西日本新聞夕刊=

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